歌川国輝 (2代目)

二代目歌川国輝の生涯と作品

二代目歌川国輝（にだいめ うたがわ くにてる、1830-1874）は、江戸時代末期から明治初期にかけて名を馳せた浮世絵師です。彼の本姓は山田で、若い頃は国次郎という名で知られていました。国輝は三代目歌川豊国の弟子として浮世絵の道を歩み、以後、多彩なペンネームを用いながら活動を続けました。

国輝の初期の作品は、二代目歌川国満の名を名乗っていたとされますが、その詳細は資料が乏しいため不明な部分も多くあります。後に、彼は文久の時期に「二代目歌川国綱」や「一蘭斎国綱」と名乗り、徐々に自身のスタイルを確立していきました。慶応元年（1865年）頃から、「国輝」と名を改め、独自の活動を進めます。

国輝の作品は主に諷刺画や街道風景、役者絵など多岐にわたり、その後、彼の名のもとで描かれた「東京十二景」、「東京名所図絵」、「東京名勝」など、開化絵として知られる作品が数多くあります。この時期、日本では急速な近代化が進んでおり、国輝はその流れに合わせ、鉄道絵を多く描きました。特に「東京汐留鉄道蒸気車通行図」などの作品では、蒸気機関車の詳細な描写が評価されています。彼の作品は、幕末から明治初期の日本の風俗や社会状況を映し出した貴重な資料となっています。

また、国輝は明治6年（1873年）には文部省から教育目的のために印刷された104枚の錦絵の制作にも参加しました。このなかには「曜斎国輝」名義の作品が30枚含まれており、国輝の技術やセンスの高さを読み取ることができます。

国輝の享年は45歳であり、彼の墓所は東京都江東区の宝蓮寺にあります。法名は円垂道信士であり、彼の子孫は現在の萩小田として続いています。

主な作品

国輝はさまざまなスタイルの浮世絵を残しており、特に以下のような作品が知られています。

• - 『源平盛桜御所染』：合巻で、文久3年（1863年）に発行。
• - 『傀儡師筆の操』：合巻、慶応元年に発行。
• - 「東海道」：大判揃物合作、文久3年。
• - 「勧進大相撲繁栄図」：大判3枚続、慶応2年。
• - 「冨士山諸人参詣之図」：慶応元年に制作。富士山への登山者が描かれ、物価の変動を象徴している。
• - 「東京十二景」：四代目歌川国政との共同制作、明治元年。

国輝は浮世絵の枠を超えて、近代日本の文化や社会を表現し、彼の作品は後世にわたって影響を与えることとなります。彼の美術作品は、系統立てた研究対象としても重要であり、様々な資料として現代にも受け継がれています。

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