歌舞伎座タワー

歌舞伎座タワーの概要

歌舞伎座タワーは、東京都中央区銀座に位置し、歌舞伎座と一体化した複合施設「GINZA KABUKIZA」の一部として立ち上がったオフィスビルです。このタワーは、歌舞伎座の建て替え事業の一環として整備され、文化とビジネスが交差する魅力的な空間を提供しています。

過去20年以上にわたり、松竹は老朽化が進む第四期歌舞伎座（1950年竣工）の建て替えを真剣に検討してきました。一時、劇場をビル内に取り込むプランも浮上しましたが、最終的に2005年に設立された「歌舞伎座再生委員会」は、建て替えと超高層オフィス棟の構築を提案しました。この草案を受けて、三菱地所設計と隈研吾建築都市設計事務所は、既存の歌舞伎座の良さを保ちながらも、舞台の機能性を高めることとオフィスタワーの併設というコンセプトに基づき、入念に設計を進めました。

建設における工夫

設計者たちは、第四期歌舞伎座の特長的な空間構成を尊重しつつ、新たなデザインのアプローチを模索しました。その結果、タワーは舞台の上部に位置するという斬新な構造で、劇場のエリアを拡張し、機能性を向上させることに成功しました。2013年4月2日、歌舞伎座タワーと歌舞伎座を組み合わせた複合施設「GINZA KABUKIZA」の開業に至りました。

構造とデザイン

歌舞伎座タワーは、地下4階、地上29階建てで、そのデザインは和風モダンと現代的な要素が融合したものです。映画のような壮大な外観は、正面の縦格子が印象的ですが、その他の面はガラスが豊富に使用されています。また、都市再生特別地区において容積率が緩和されており、銀座の都市再生に貢献する意義を持った施設となっています。

タワーは、地下鉄東銀座駅と直結した便利な位置にあり、正面は昭和通り側に位置します。舞台の上にタワーを重ねるデザインのため、エレベーターの動線が工夫されており、1階のエントランスから5基のシャトルエレベーターでまず7階へ上昇し、そこにあるスカイロビーで乗り換える必要があります。オフィス部分は7階から29階までの23層で、広々とした無柱の空間設計がなされています。

地下空間と災害対策

地下2階には「木挽町広場」が整備されており、劇場の下に位置するこの広場は地下鉄東銀座駅のコンコースとフラットに接続しています。このスペースは災害時には一時的な避難所として機能することができ、最大約1,000人の帰宅困難者を収容することが可能です。

主なテナント

歌舞伎座タワーには、多くの企業がオフィスを構えています。中でも、ドワンゴの本社やアーキテクト・ディベロッパー、ICBインターナショナル、あゆみ製薬、マイナビアートスクエア、リンクアンドモチベーションなど、各種業種の企業が集まり、多様なビジネスシーンを形成しています。

歌舞伎座タワーは、古き良き伝統と最先端のビジネスが共存する場所として、個人の体験や地域の発展に寄与していると言えるでしょう。

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