歌謡大全集 (朝日放送)

朝日放送ラジオ『歌謡大全集』：35年半にわたる歌謡曲の祭典

『歌謡大全集』は、朝日放送（現：朝日放送ラジオ）が1975年から2011年4月1日まで、ナイターオフ期間（10月～翌年3月）に放送された長寿音楽番組です。

番組は、リスナーからのリクエストを中心に、懐かしの歌謡曲やヒット曲を放送していました。パーソナリティの軽妙なトークや、リスナー参加型のクイズなどの企画コーナーも人気を博し、幅広い世代から親しまれていました。

放送時間は、最終シーズンである2010年10月～2011年3月までは、毎週火曜日から金曜日19:00～21:00。それ以前は、月曜日も放送されていました。番組開始当初は1時間番組でしたが、放送時間や曜日、編成は時代と共に変化していきました。

番組のテーマソングには、フランク永井の「君恋し」（カラオケバージョン）が使用されていました。原則として生放送で、放送中もメールやFAXでリクエストを受け付けるなど、リスナーとの双方向コミュニケーションを重視していました。パーソナリティの都合で事前に収録された放送回もあったものの、その際も事前に届いたリクエストやメッセージを丁寧に紹介していました。年末年始は特別編成となり、休止や短縮放送となることもありました。

パーソナリティと番組の歴史

『歌謡大全集』のパーソナリティは、時代と共に変遷を遂げました。1975年の開始当初は、黒田昭夫や因田宏紀といった朝日放送のアナウンサーが担当していました。1976年度からは『歌の旅・歌謡大全集』に改題され、尾崎千秋や桶村久美子といったパーソナリティが番組を盛り上げました。

1979年からは、4代目林家小染と桶村久美子という新しいコンビが番組をリニューアル。1984年からは番組タイトルを『歌謡大全集』に戻し、男性落語家と女性タレント・アナウンサーのコンビによる日替わりパーソナリティ制を採用しました。

1985年から1988年までは、梨木加陽子がレギュラーパートナーとして月曜日から金曜日まで出演。1989年からは女性出演者も日替わり制となり、さらに幅広い組み合わせのパーソナリティ陣が登場するようになりました。

1990年代前半には、男性2人、女性2人のコンビや、落語家以外の男性芸能人（キダ・タロー、横山ノック）、朝日放送の女性アナウンサー（関根友実、橋詰優子）なども担当。多様なパーソナリティが番組に彩りを添えました。

桂南光と土谷多恵子のコンビは、1992年から2008年まで16シーズンに渡りパーソナリティを務め、番組を象徴する存在となりました。2000年頃には、金曜日担当のコンビによる派生番組『あんたらキッついキャランタン』も放送されました。

2004年には月曜日の放送が終了し、火曜日から金曜日へと放送曜日が変更。1990年代初めには21時40分まで放送されたこともありましたが、その後20時45分終了、2007年度からは21時終了へと放送時間が調整されました。2007年頃には、朝日放送の公式サイトを通じて、一部コーナーのインターネット配信も行われました。

番組終了とその後

2011年3月1日の放送で、2011年3月で番組が終了することが発表されました。しかし、東日本大震災の影響でプロ野球開幕が延期されたことに伴い、放送期間が4月1日まで延長されました。そして4月1日、35年半の歴史に幕を閉じました。

東日本大震災発生日には、報道特別番組の編成により放送は休止となりました。番組終了後、後継番組として『おっちゃんラジオ』が編成されました。また、『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』では、番組最後期のレギュラー出演者やコーナーの一部を引き継いでいます。

2013年には、『第111回上方落語をきく会』において、桂団朝と宇野ひろみコンビによる『歌謡大全集』の特別復活版が放送されました。

『歌謡大全集』は、長きにわたり多くのリスナーに愛された番組でした。その歴史と、番組を支えた人々の努力は、ラジオ番組史に大きな足跡を残しています。現在でも、その魅力を懐かしむファンは多いことでしょう。

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