止まらないHa〜Ha

「止まらないHa〜Ha」（とまらないハーハ）は、日本のロックシンガー、矢沢永吉の楽曲であり、彼の音楽キャリアを代表する一曲です。1986年7月25日にリリースされたアルバム『東京ナイト』に収録され、そのパワフルなロックンロールサウンドで多くのファンを魅了しました。

この曲の作曲は、矢沢自身が「元旦のベロンベロンに酔った日に行われた」と語るように、ユニークな状況で誕生しました。作詞を手がけたちあき哲也との共同作業の中で、初期段階ではタイトルが「Can't Stop Rockin'」であり、「Ha～Ha」のフレーズも「A～Ha」となっていたなど、歌詞にはいくつかの変遷がありました。

1986年のコンサートツアー「Feelin' come HA〜HA」は、この曲の歌詞からタイトルが取られており、ツアー中に観客が曲に合わせてタオルを振り回したり、投げ上げたりする行為が自然発生的に始まりました。この「タオル投げ」は、やがて「永ちゃんコール」と並ぶ矢沢ライブの象徴的なパフォーマンスとして定着しました。

「止まらないHa〜Ha」は、1987年5月18日に全米でリリースされたアルバム『FLASH IN JAPAN』には、英詞版の「HURRICANE」として収録されました。このアルバムは、日本国内では1999年12月24日に発売されましたが、それ以前の1997年10月1日に発売されたベストアルバム『E.Y 80'S』にも「HURRICANE」が収録されています。

この曲は、テレビやラジオ番組で矢沢永吉を紹介する際のBGMとして頻繁に使用され、彼のイメージを強く印象づける楽曲として広く認知されています。また、2009年の東京ドームでのライブ映像は、フジテレビの『IPPONグランプリ』のテーマ曲として使用され、新たなファン層にもその魅力が伝わっています。

トリビュートアルバム『JOYRIDE ― 矢沢永吉 スーパー・カバー・トラックス』では、少年ナイフが「HURRICANE」バージョンをカバーしており、幅広いアーティストに影響を与えていることが伺えます。

この曲は、プロスポーツ選手の登場曲や入場曲としても非常に人気があり、多くの選手が自身のモチベーションを高めるために使用しています。村田真一、イチロー、岩村明憲、三浦大輔、川﨑宗則、菊池雄星、茂木栄五郎、矢崎拓也、古長拓、宮川哲、矢澤宏太、グレゴリー・ポランコ、金子大樹、那須川天心など、様々な競技の選手に愛用されています。

コンサートでは、「トラベリン・バス」と並んで終盤に演奏されることが多く、矢沢自身もこの曲を歌う際には白いパナマハットを着用することが恒例となっています。観客がYAZAWAロゴタオルを投げ上げる「タオル投げ」は、ライブの盛り上がりを最高潮に導くパフォーマンスとして欠かせません。

さらに、この曲には特別な演出が加えられることも多く、ステージ前方からのスモーク噴射や、大会場でのゴンドラを使った空中パフォーマンスなどが、長年にわたってファンを魅了しています。

「止まらないHa〜Ha」は、アルバム『東京ナイト』以外にも、『FLASH IN JAPAN』や『ROCK'N ROLL』、『E.Y 80'S』などのアルバムに収録されています。また、プロモーションビデオは『東京ナイト』や『VIDEO CLIPS 1982〜2001「THE FILMS」』で見ることができます。

この曲は、矢沢永吉のライブパフォーマンスを象徴する楽曲であり、多くのファンにとって特別な存在です。そのパワフルなサウンドと、ライブでの一体感は、聴く人全てを魅了し、時代を超えて愛され続けています。

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