正徳 (李珍)

正徳（せいとく）は、中国の唐代において、岐王・李業の子である李珍が個人的に用いたとされる私年号です。761年という短い期間のみ使用されたと伝えられています。この年号に関する記述は、羅振玉の著書である『増補紀元編』でのみ確認されており、非常に稀な事例として知られています。

正徳という年号は、中国の歴史において複数回使用されており、李珍の正徳以外にも、明朝の武宗の治世で使用された正徳が有名です。そのため、年号を扱う際には、どの王朝の正徳であるかを明確にする必要があります。

李珍がなぜ私年号を立てたのか、その背景や動機については、史料が乏しく、詳しいことはわかっていません。しかし、当時の政治情勢や李珍の個人的な事情が影響していた可能性は考えられます。私年号は、正当な王朝から認められたものではなく、あくまで個人的な範囲で使用される年号であるため、公的な記録にはほとんど残されていません。そのため、詳細な歴史的背景を追うことが困難な場合が多く、正徳もまた、その例に漏れないと言えるでしょう。

西暦・干支等との対照表

761年：干支についての記述は見当たらず。

出典

『増補紀元編』

参考文献

李崇智『中国歴代年号考 修訂本』（北京：中華書局，2001年1月） ISBN 7101025129

関連項目

元号一覧 (中国)
* 他王朝の正徳

正徳という年号は、その希少性と、私年号という特殊な性質から、中国史研究においても注目されることがあります。この年号を通して、当時の社会や個人の動向を考察する上での、貴重な手がかりになると言えるかもしれません。

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