正心女子短期大学

正心女子短期大学（せいしんじょしたんきだいがく）は、かつて鹿児島県姶良郡加治木町に存在した日本の私立短期大学です。1967年に開学し、約20年後の1987年に廃止されました。設置当初は学校法人正村学園が母体となっていましたが、後に学校法人鹿児島学園へと運営主体が変更されています。

概要

本学は、加治木町木田5348に本部を置いていました。開学当初から家政科のみを置く単科の短期大学として運営されていました。教育内容としては、家政学を基礎としつつ、社会で求められる実践的な専門知識と技術の習得を目指しました。特に、特定の資格取得を通じた専門人材の育成に注力しており、養護教諭や中学校教諭（家庭）、そして栄養士といった分野で活躍できる人材を社会に送り出しました。

設置地の加治木町が伝統的に教育文化への関心が高い地域であることに鑑み、単に学問を修めるだけでなく、社会や職業、家庭において有為な存在となるような人間育成という理念を掲げていました。学生の選抜方法も特徴的で、推薦入試のみを実施し、面接を通じて入学を許可するという方針がとられていました。

沿革

正心女子短期大学の設立に向けた動きは、1966年に始まりました。短期大学設置の認可申請を行い、翌1967年3月25日に文部省（当時）から正式な認可を得ました。

1967年4月1日：家政科（入学定員50名）を設置し開学。
1969年4月1日：家政科内に家政専攻（定員20名）と食物栄養専攻（定員30名）を設け、専門分野を細分化。
1970年4月1日：運営法人が学校法人正村学園から学校法人鹿児島学園に変更。
1985年4月1日：この年度の入学生を最後に、学生募集を停止。
1987年2月9日：短期大学として廃止。

約20年にわたる短い歴史の中で、多くの卒業生を輩出しました。

組織・教育・研究

学科としては家政科のみが設置され、その下に家政専攻と食物栄養専攻がありました。いずれの専攻にも専攻科や別科は設けられていませんでした。

取得可能だった主な資格は以下の通りです。

家政科家政専攻：中学校教諭二級免許状（家庭）、養護教諭二級免許状
* 家政科食物栄養専攻：栄養士

学術研究の成果としては、『正心女子短期大学紀要』が刊行されていました。

大学関係者としては、歴代学長として町野碩夫氏、横山淳夫氏、山崎嘉雄氏の名前が見られます。また、教職員の一部として山本隆基氏が1967年に専任講師に就任していた記録があります。

施設・関係校など

学生生活を支援する施設として、指定された学生寮がありました。また、学校法人鹿児島学園の系列校として龍桜高等学校があり、かつては正心女子短期大学附属高等学校も存在していました。

卒業後の進路

卒業生の進路は多様でした。家政専攻の卒業生は、その多くが一般企業へ就職しましたが、希望者は教育職員や養護教諭として活躍する道を選んでいました。食物栄養専攻の卒業生は、在学中に取得した栄養士の資格を活かし、食品関連企業、病院、学校給食施設など、食と健康に関わる専門職として幅広い分野で貢献しました。

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