正田建次郎

正田 建次郎（しょうだ けんじろう）の生涯と業績

概要

正田建次郎は、1902年に群馬県館林市で生まれた著名な数学者です。彼は代数学の分野での多大な貢献により、日本の数学界における重要な人物となりました。大阪大学総長や初代基礎工学部長としても知られる彼は、優れた学問的業績に対して文化勲章や勲一等瑞宝章などの栄誉を受けた。

学歴と留学

建次郎は1919年に東京府立四中を卒業し、1922年には旧制八高を経て、1925年に東京帝国大学理学部数学科を卒業しました。在学中は高木貞治の指導を受け、数学の基礎を固めました。その後、1926年にドイツに留学し、著名な数学者イサイ・シューアとともに研究を行い、エミー・ネーターからも教えを受けました。1929年に帰国後は、大阪帝国大学で教鞭を執ることになります。

学術活動

1933年には大阪帝国大学理学部数学科の創設と同時に教授に就任し、1946年には日本数学会の初代会長に選出されました。彼は日本の数学界の復興に大きく寄与し、1949年には日本学士院賞を受賞しました。1954年には第6代大阪大学総長に就任し、その後は1962年に初代大阪大学基礎工学部長として復帰しました。1965年には定年退官した後、武蔵大学の学長に就任しました。

家族

正田建次郎は、日清製粉グループ本社の創業者の次男として生を受け、多美と結婚しました。二人の間には長男・彬、長女・絢子、次女・さだ子がいます。その後、多美が亡くなった後は、元九州大学教授の伊藤栄三郎の娘である禎子と再婚し、次男・紘が生まれました。さらに、彼の弟・英三郎の家族には上皇后美智子が含まれており、正田建次郎は今上天皇の大伯父にあたります。

主な業績

1920年代から現代数学を日本に紹介し、彼の業績は戦後の日本数学界の再建において特に重要でした。彼の著書には、1932年の『抽象代数学』、1944年の『代数学提要』、1962年の『数学へのみち』、1968年の『多元数論入門』があります。これらの著作は、代数学や数学の理解を深めるための重要な教材として広く用いられました。

死去と評価

正田建次郎は1977年に75歳で亡くなりました。彼は没後、贈従二位および贈勲一等旭日大綬章を授与され、彼の業績は今なお多くの人々に称えられています。多磨霊園に眠る彼の墓は、豊かな学問の成果を示す象徴となっています。彼の影響を受けた多くの数学者たちが、今後の日本数学界を支えていくことでしょう。

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