従二位

従二位についての詳細

従二位（じゅにい）は、日本の位階および神階の一部であり、その位置は正二位の下、正三位の上にあたります。この地位には豊かな歴史と独特の役割があり、古くから重要視されています。従二位は、律令制において左右大臣に相当し、また令外官として内大臣や蔵人別当とも関連づけられる位階です。

歴史的背景

従二位は、古代の官位制度において高位に位置していました。特に女性においては、大臣の正室などが叙位されることがあり、その代表的な例として平時子、すなわち「二位尼」が挙げられます。彼女は平清盛の正室であり、外孫の憲仁親王が立太子した際に従二位に叙せられました。

中世において、従二位は公卿の中でも高い地位とされましたが、武士の身分においては特に鎌倉時代から室町時代にかけて厳しい制約がありました。北条政子以来、将軍の正室に与えられることはあっても、将軍自身やその一門が叙せられることはほとんどありませんでした。室町幕府における武士も従三位にとどまり、最高位は得られない状況が続きました。

戦国時代とその後の変化

戦国時代に入ると、武士の官途における状況は変化し始めます。武士たちは自らの権力を示すために、朝廷に直接献金を行うようになり、猟官運動が盛んなりました。例として、大内義隆が1548年に従二位に叙せられたのは異例の出来事でした。この時、当時の将軍である足利義輝は従四位下であり、この叙位は注目に値します。

安土桃山時代に入り、豊臣秀吉が関白宣下を受けると、強力な一門や家臣が次々に従二位に昇進し、さらには二位以上の位階に昇る例も出てきました。江戸時代には、徳川将軍家の一門である御三家や御三卿も従二位または権大納言に昇進するようになりました。

近代における従二位

日本国憲法施行後、位階は死没時に叙位されることが多く、特に三権の長ユーザーとして功労を立てた者が対象となります。内閣総理大臣は一般的に正二位が授与されますが、任期が短い者は従二位に叙されることが多いです。また、学術分野においても、ノーベル賞受賞者が従二位に叙せられることが通例となっています。

従二位に叙された著名な人物

歴史的な背景の中では、多くの著名な人物が従二位に叙されています。中世には足利直義や大内義隆などがこの位に就いており、近代には明治時代に日野資朝や今出川公言、豊臣秀長などが叙位されています。また現代でも、特に功績のある者はこの地位を受けることがあります。

このように、従二位は日本の歴史において重要な役割を果たしてきた位階であり、その地位は長い間様々な変化を経て現代に至っています。

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