正義のシンボル コンドールマン

正義のシンボル コンドールマン：1975年の東映特撮ヒーロー

1975年、NET（現・テレビ朝日）で放送された『正義のシンボル コンドールマン』は、全24話の特撮テレビ番組です。平和活動家の三矢一心は、悪の心から生まれたモンスター一族に命を奪われますが、タバ老人の導きでドラゴンコンドルの魂と一体化し、コンドールマンとして復活。世界征服を企むモンスター一族に立ち向かう物語です。

制作背景と特徴

川内康範原作によるヒーロー作品で、『アラーの使者』以来15年ぶりの東映制作となります。『愛の戦士レインボーマン』『ダイヤモンド・アイ』と並ぶ「川内ヒーロー3部作」の一つですが、製作会社が東宝から東映に変更されたことで、『仮面ライダー』シリーズのような東映変身ヒーローの要素が加わっています。コミカルなモンスター描写や仲間との協力など、痛快な活劇が展開されます。

しかし、作品全体を通して「人間の悪の心と正義の心」という川内康範の強いメッセージが貫かれています。敵の作戦も現実的なものとなっており、前2作と共通する部分もみられます。メインライターの伊東恒久は、東映での制作について「現場での大きな違いはなかった」と述べています。各話はコンドールマンのピンチで次回へと続く構成が中心です。平山亨プロデューサーによると、川内康範がNET社長室を直接訪問して企画を持ち込んだとのことです。

コンドールマンとその仲間たち

コンドールマンは、一心の正義の心とドラゴンコンドルの力が融合して誕生した存在。普段は一心として活動し、戦闘時には羽根型のアイテムで変身します。白装束にマント、目出しマスクという姿で、コンドールアイ、コンドールキック、コンドールカットなど多彩な技を使用します。必殺技は「スリークッションキック」。太陽光をエネルギー源とし、物語後半では飛行能力も獲得します。愛車はマッハコンドルです。

コンドールマンを支える人々も重要な役割を果たします。一心の父・源太郎、母・たみ子、姪・まこと、姉・陽子、恋人・さゆりなど、家族や友人たちは度々モンスターに襲われながらもコンドールマンを支えます。また、毎朝新聞の記者である堅介やカメラマンの大前田マキ、三矢食料品店の店員・石松なども物語に関わってきます。コンドールマンの私設応援団「コンドールJr.」も結成され、街の清掃活動などを通してコンドールマンを支援します。タバ老人は古代ムー帝国の呪術師の末裔で、コンドールマンの師として助言を与えます。

コンドールマンには、ゴールデンコンドル、ドラゴンコンドルという変身形態も存在します。ゴールデンコンドルはコンドールマンの10倍、ドラゴンコンドルは100倍の能力を持ちます。

モンスター一族とその幹部たち

モンスター一族は人間の悪の心から生まれた怪物集団で、ニューヨークのエンパイヤーステートビルを本拠地としています。様々な人間のコスチュームをまとい、コミカルながらも危険な存在です。

キングモンスターはモンスター一族の帝王。複数の顔を持ち、強大な魔力を持っています。マッドサイエンダーは科学者で、様々な兵器を開発します。サタンガメツクは「日本ハンガー作戦」の指揮官として食糧を買い占めます。レッドバットンとゲムスラーは幹部候補生で姉妹関係にあります。ゼニクレージーは金の亡者で、食料大臣に化けます。サラマンダーは極東担当司令官。オイルスネークはサラマンダーの後任です。スモッグトン、ゴミゴン、ヘドロンガーは三大幹部として、日本を混乱に陥れる陰謀を企てます。他にも様々なモンスターが登場し、コンドールマンの前に立ちはだかります。

その他

主題歌: オープニングテーマ「コンドールマン」はヤング・フレッシュ、エンディングテーマ「ザ・モンスター」はベンさいとうとザ・モンスターズが担当。歌詞はヒーローと人間社会の双方を批判的に描写しています。
漫画: テレビランド、週刊少年サンデー、小学館の学習雑誌などで漫画版が連載されました。
映像ソフト: ビデオ、LD、DVDが発売されています。
ネット配信: 2016年から2017年にかけてYouTubeで配信されました。
CM: 2019年にはNTTドコモのCMにゼニクレージーが登場しました。
米谷佳晃: アートクリエイターの米谷佳晃は、ドラゴンコンドルとゴールデンコンドルのデザイン、コンドールマンのマスク修正デザインを手掛けたことを明かしています。


『正義のシンボル コンドールマン』は、個性的なキャラクター、痛快なアクション、社会風刺的な要素が融合した、魅力的な特撮ヒーロー作品です。

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