武井神社

武井神社

武井神社は、長野県長野市東町に鎮座する神社です。妻科神社、湯福神社とともに善光寺三社（善光寺三鎮守）として知られ、地域の人々から篤い信仰を集めています。

歴史

武井神社の創立は明確にはわかっていませんが、口伝によると持統天皇5年（692年）頃と伝えられています。社名の由来には諸説あり、一つは諏訪大社の領地を武井と称したこと、もう一つは神官である武居祝一族が奉斎したことが起源であると言われています。かつては武井明神、諏訪明神と呼ばれていましたが、文化4年（1807年）に現在の社名になりました。神社が鎮座する場所は、古い地図に「武井」と記され、南側の道路は「武井小路」と呼ばれていたことから、この地域に深く根付いた神社であることがわかります。

境内

境内は明治30年（1897年）に拡張され、現在の姿となりました。かつては北側に武井えびす社（現在の西宮神社）が隣接していました。

拝殿

現在の拝殿は、平成21年（2009年）に平成22年御柱大祭記念事業として建て替えられたものです。以前の拝殿は、弘化4年（1847年）の大震災で焼失した後、13年後に再建されたものでした。

雷電の力石

神社の南東にはかつて川が流れ、そこには武井橋という橋が架かっていました。この橋を運ぶ際に困っていたところ、善光寺に相撲の巡業に来ていた雷電為右衛門が通りかかり、この橋を動かしたという伝説が残っています。また、この石の上に子供が立つと丈夫に育つとも言われています。

矢島稲荷

昔、神社の北の岩石町に矢島市郎兵衛という目の不自由な男が住んでいました。毎晩琵琶の稽古に通う際、必ず誰かが手を引いて助けてくれていました。ある日、狐の死骸を発見し、その親切な人物が狐であったことを知ります。市郎兵衛はその狐を丁重に葬り、稲荷社を建てて祀ったとされています。これが寛政12年（1800年）の出来事です。この稲荷社は明治29年（1896年）に武井神社の境内に移され、現在では矢島稲荷と呼ばれています。

その他

境内には松尾社、金毘羅社、三峰社、天神社、猿田彦大神塔なども祀られています。

神事

御柱祭

諏訪大社の御柱祭と同じく、寅年と申年に武井神社、妻科神社、湯福神社、水内大社の4社が交代で勤行する御柱祭が行われます。

御射山祭

8月26日夜には、萱（ススキ）の穂と萱で作った神箸を御神前に供え、子供の無事育成、家内安全、商売繁盛などを祈願する御射山祭が執り行われます。翌27日の朝には、萱の神箸であずき粥を食べると、一年中健康に過ごせると言われています。

文化財

長野市指定有形文化財

武井神社には、長野市指定有形文化財である「御柱祭行列図大絵馬」が所蔵されています。この絵馬は万延元年（1860年）に描かれたもので、善光寺地震で焼失した社殿が再建された後の遷宮祭の御柱行列の様子が描かれています。これは当時の貴重な資料であり、祭りの様子を今に伝えています。

関連項目

• - 神社一覧
• - 善光寺七社
• - 美和神社
• - 湯福神社※
• - 武井神社※
• - 妻科神社※
• - 加茂神社
• - 木留神社
• - 柳原神社

※印は善光寺三鎮守（善光寺三社）を示します。

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