武刃街
『武刃街』(ぶじんがい)は、
2003年にタイトーから発売された
PlayStation 2用の中華風3D
アクションゲームです。
レッド・エンタテインメントとの共同開発で、
Gacktが開発に関わり、主人公・劉王羽(ラウ・ウォング)のモデルにもなっています。タイトー50周年記念ソフトとして大規模に制作され、宣伝やメディアミックスも盛んに行われました。
ゲーム概要
プレイヤーは主人公の劉を操作し、様々なステージで現れる
鬼たちを倒しながら進みます。各ステージの最後に待ち受けるボスを倒すとステージクリアとなります。
ステージ内には霊珠(れいじゅ)などのアイテムが配置されており、敵を倒すことでも入手できます。ステージクリア時には、クリアタイムやコンボ数などに応じてスコアが表示され、ランクに応じて霊珠が支給されます。
集めた霊珠は、劉の基本ステータスや剣のレベルを上げるために使用できます。また、ステージに点在する太極印(たいきょくいん)を収集することで、開発者インタビュー映像などの隠し要素が解放されます。
脚本は
スタジオオルフェの
黒田洋介氏が担当し、BGMは
ZUNTATAが制作しました。
劉の操作
劉は二本の剣を装備しており、
中国映画のように舞を踊るような全方向攻撃を得意とします。基本となるのは、様々な技へ派生する連斬(コンボ)と、複数の敵に有効な旋風斬りです。妖術ゲージを消費して、遠距離攻撃や一時的なステータスアップが可能な妖術も使用できます。
敵の攻撃に対しては、正面を向いてニュートラルポジションを取ることで、ほぼガードが可能です。ただし、連続でガードできる回数はガードゲージによって制限されており、ゲージがなくなるとガードできなくなります。緊急時には、前後左右へ素早く無敵移動する回避行動を使い分ける必要があります。
本作独自のシステムとして、剣戟カウンターがあります。これは、敵の攻撃をガードした直後に攻撃ボタンを入力することで、防御から攻撃へと転じる反撃手段です。さらに、敵の妖術攻撃を打ち返す妖術カウンターも存在します。しかし、劉と同様に敵もガードゲージやカウンター攻撃を持つため、一対一の状況でも油断はできません。また、画面外からの攻撃も多いため、多勢に無勢になりやすいという難点もあります。高難易度では、中ボス級の敵が複数同時に出現することもあり、立ち回りが非常に重要になります。
ストーリー
西暦22XX年、核融合炉のエネルギーを地球へ送信するマイクロ波放射衛星の異常により、高密度のマイクロ波が地球に降り注ぎ、文明は崩壊しました。人類に残されたエネルギーは「自然」のみとなり、内なるエネルギーへの信仰へと変化していきました。「西暦」は終わりを告げ、時代は「技暦(ぎれき)」へと移り変わります。
しかし、マイクロ波の影響はアジア圏一帯を覆い、生き残った人々は姿を消し、数世紀後には「
鬼」と呼ばれる存在が巣食うようになりました。
鬼が支配する島「剣
鬼相見島(けんきそうけんとう)」へ、武を極めた男、劉 王羽(ラウ・ウォング)が降り立ちます。
鬼と化した友を止めるため、二本の剣を手に死地へと向かうのでした。
登場人物
劉 王羽(ラウ・ウォング)
声:
Gackt
殴の元で武術を極めた武人。両親を亡くし孤独な身。二本の剣と妖術を使い、鬼にも劣らない武力を持つ。無口で、掛け声や技名を発するのみ。蓉華に恋心を抱いている。
雷 震龍(レイ・ジェンロン)
声:山寺宏一
劉の兄弟子。「
鬼を倒せるのは
鬼だけ」と信じ、
鬼の道へ。
鬼を作り出す力を持ち、「
四凶(しきょう)」と呼ばれる
鬼たちを従える。
蓉華(ヨーファ)
声:
坂本真綾
劉を導く謎の女性。各地へ転移できるゲートを作り出す。物語終盤で正体が明らかになる。
殴 天災(ナグリ・テンサイ)
声:若本規夫
劉たちの師匠。
鬼と化した雷によって命を落とすが、
残留思念として現世に留まっている。
舞台
逢魔寺(ほうまでら)
劉が修行を積んだ場所。各ステージへのゲートがある。霊珠による強化も可能。
亡侠街(ぼうきょうがい)
夜の香港をモチーフにした最初のステージ。
聖淋境(せいりんきょう)
霧深い竹林のステージ。
魔窟院(まくついん)
立体的な構造の石窟寺院。
鬼哭城(きこくじょう)
複雑なビル群を上っていくステージ。
羅寒院(らかんいん)
吹雪が吹き荒れる雪山。体力が徐々に奪われる。
躍滅坑(やくめつこう)
前半は洞窟、後半は溶岩が迫りくる火口。
我望雲(がぼううん)
雲海に浮かぶ足場を渡るアスレチックステージ。
蠢鬼界(しゅんきかい)
雷が待ち構える最終ステージ。ボス戦のみ。
漫画版
『武刃街・斬皇伝説』として『マガジンZ』で連載されました。
脚本は
黒田洋介氏、作画は乾一郎氏が担当。本編とは異なるアクションコメディーで、パロディーや下ネタ、萌え要素が含まれています。ストーリーは本編とほぼ関連性がありません。