武功勲章 (大韓民国)

武功勲章概要

武功勲章（ぶこうくんしょう、朝: 무공훈장）は、朝鮮戦争の勃発直後、1950年10月18日に制定された大韓民国の勲章です。これは大統領令第385号に基づいて創設され、その後、1963年12月14日からは賞勲法によってその授与基準が定められています。

授与対象と基準

武功勲章は、賞勲法第13条により、「戦時またはそれに準ずる非日常的な事態の中で、戦闘に従事し、敵との接触を通じて攻撃に応答した者」が授与対象とされています。このように、具体的な戦闘行為や職務を通じて、際立った功績を残した者に与えられる特別な名誉です。

等級体系

武功勲章は全体で5つの等級に分類されており、施行令第11条に従った名称が与えられています。初期の1950年には1等から4等の四段階でしたが、それらの等級にさらに金星、銀星、星なしの3つのサブランクを導入し、合計で12のランクが存在しました。1951年には、各等級の名称が太極・乙支・忠武・花郎に変更され、1963年の賞勲法制定に伴い仁憲が追加され、金星や銀星のサブランクは廃止されるなど、現在の5等級体制が確立されました。また、武功勲章の下位に位置する「武功褒章」も存在し、これは賞勲法第22条で定められています。

デザインと意匠

武功勲章の各等級のデザインは、賞勲法施行令第13条によって明文化されています。章と綬（リボン）から構成されており、基本的に正章と襟章、略綬のセットが特徴です。特に上位2等級の太極章と乙支章には副章も付属しています。

章のデザインは、中心に位置する紅玉円板から八方に広がる太陽光線の形をしています。正章である太極章は右肩から下げて佩用し、月桂冠と五芒星を組み合わせた鈕が付いています。各等級の綬の色は異なり、太極章は赤、乙支章は濃橙、忠武章は薄橙、花郎章は暗赤、仁憲章は水色と、明確な色分けがなされています。綪の端には白線が入っており、仁憲章から乙支章までは細線が増え、最も高等な太極章は無地のデザインとなっています。

上位の2つの等級からなる副章は、いずれも左胸に佩用される星章です。武功褒章は仁憲章に似た小綬章ですが、金属部分は銀色で、リボンは桃色地に白線1本のデザインが施されています。最近の改正により、太極章の女性用のデザインも男性用に統一されるなどの変化も見られます。

終わりに

武功勲章は大韓民国における軍人に対する重要な勲章であり、その授与基準やデザイン、等級の多様性は、受賞者の勇気と献身を称える象徴としての意味を持っています。これにより、大韓民国の歴史や軍事体系における重要な役割を果たした人々を称賛するための制度の一環であると言えます。

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