武宮正樹

武宮 正樹（たけみや まさき）について

武宮正樹は1951年1月1日、東京の葛飾区で誕生した囲碁のプロ棋士であり、九段のタイトルを持つ名人である。彼は名人位を1期、本因坊を6期獲得し、世界選手権設立当初から活躍しており、その実力から「世界最強の男」と称されることもあった。彼の棋風は、特に中央重視のスタイルである「宇宙流」として多くの囲碁ファンに親しまれている。

棋風と特徴

武宮の棋風は、先番の三連星を巧みに使用し、中央での大模様を作る戦略に強く偏りがある。このスタイルは「宇宙流」として広く知られ、観る者を魅了している。後手の場合は、白の二連星から柔軟に攻める「自然流」にもこだわりがあり、どちらのスタイルでも大胆な手数を選択することで定評がある。

著名な韓国の棋士、李昌鎬は「宇宙流は布石の第2革命」と称し、武宮のスタイルがいかに囲碁界に影響を与えたかを示している。また、中国の江鋳久も、アマチュア棋士が強くなるためには武宮の碁を学ぶのが重要だと述べるなど、国際的にもその独自性が評価されている。

人物像

彼は、囲碁界で数々の逸話を持ちながらもユーモアのセンスが強いことで知られ、当時の名人棋士、小林光一の棋風を「地下鉄流」と揶揄したりする発言は囲碁界の話題を呼んだ。また、趣味は多彩で、ゴルフ、バックギャモン、歌、麻雀などが彼の活動範囲である。特にバックギャモンでは、盤聖戦のタイトルを持つほどの実力を持つ。

音楽では、演歌歌手青山みきとのデュエットで「鷺と烏のラブゲーム」という曲をリリースし、レコードデビューも果たしている。また、近年はダンスにも挑戦しており、囲碁イベントにおいてもその姿を観ることができる。

プロ棋士としての軌跡

彼の囲碁人生は、1959年に父から囲碁を教わったことから始まります。1962年に田中三七一に師事し、1964年にはプロ試験に合格、その後、木谷実の門下生としてさらに技術を磨いた。1957年に念願のプロ棋士としての道を歩み始め、数々の国内外のタイトルを獲得していく。特に1970年代後半から1980年代にかけての「木谷三羽烏」としての活躍は著名で、黄金時代とも呼ばれる時期を作り出した。

彼のキャリアの中では数々の記録やエピソードが存在し、1988年の本因坊挑戦手合では、一手に5時間7分も考え、持ち時間制導入後最長という記録を持つことでも知られている。

成績と著作

武宮は国内棋戦で本因坊を6期、名人を1期獲得した他、数多くの国際棋戦でも成果を残し、特に世界囲碁選手権富士通杯で二度の優勝を果たしています。彼の著作には、囲碁の技術を解説した書籍が多岐にわたり、囲碁の普及にも力を入れてきたことが分かります。

彼の独特なスタイルと明るい人柄は、囲碁界に多大な影響を与え、今なお多くの愛情を持たれ続けています。

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