武山政直

武山政直（たけやま まさなお）

概要

武山政直は、1965年愛知県名古屋市生まれの日本の経済学者であり、慶應義塾大学経済学部教授を務めています。専門分野は経済地理学、空間行動分析、都市情報化です。特に、都市を「文化的経験価値の生産と消費の場」と捉え、その情報化や人々の空間行動を分析し、ライフスタイルや消費行動との関連性を研究しています。

また、武山教授はARG（代替現実ゲーム）の分野における先駆者としても知られています。ARGとは、現実世界を舞台とした参加型のゲームであり、武山教授は、その有効性を検証する共同プロジェクトにも携わってきました。

略歴

1965年：愛知県名古屋市に生まれる。
1988年：慶應義塾大学経済学部を卒業。
1993年：カリフォルニア大学サンタバーバラ校大学院地理学研究科博士課程を修了。
1994年：慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程を退学。
1994年：慶應義塾大学環境情報学部助手として就任。
1999年：武蔵工業大学環境情報学部助教授に就任。
2003年：慶應義塾大学経済学部助教授に就任。
2008年：慶應義塾大学経済学部教授に就任。
2014年：内閣府政策コメンテーター委員会委員に就任。

RYOMA the Secret Story

武山教授が関わったプロジェクトの一つとして、2009年に実施されたARG『RYOMA the Secret Story』があります。これは、日本国内で制作された欧米スタイルの典型的なARGとしては最初の事例の一つです。産学連携のコンソーシアムによって実施され、ARGの有効性を検証することを目的としたビジネス・トライアルでした。

ゲームは、女子大生が誘拐される防犯カメラ映像を模した動画がYouTubeに投稿されるところから始まり、最終的には坂本龍馬暗殺の秘密に迫るというストーリーでした。歴史を題材とし、特に若年層の関心を惹きつけ、史跡保存の問題提起もテーマとしていました。

ゲームは、誘拐事件を解決するPhase1、坂本龍馬暗殺の謎に迫るPhase2、そして小説刊行によってすべての謎が明らかになるPhase3の3段階で構成される予定でしたが、実際にはPhase2までしか実施されませんでした。Phase1はフリージャーナリストのブログを中心に、Phase2は幕末に関する市民セミナーのサイトを中心に展開されました。

『RYOMA the Secret Story』は、欧米のARGと同様に、活発なプレイヤーコミュニティが形成され、参加者が積極的にゲーム情報をまとめるといった現象も見られました。

著書

『サービスデザインの教科書』（NTT出版、2017年）

監修

『行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する』Stephen Wendel著、相島雅樹、反中望、松村草也訳（オライリー・ジャパン、2020年）
『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.: Basics - Tools - Casesー領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計』マーク・スティックドーン、ヤコブ・シュナイダー著、郷司陽子訳、長谷川敦士、渡邉康太郎共同監修（ビー・エヌ・エヌ新社、2017年）

翻訳

『サービス・スタートアップ──イノベーションを加速するサービスデザインのアプローチ』（早川書房、2015年）

関連情報

慶應義塾大学の人物一覧
水岡不二雄

外部リンク

慶應義塾大学武山政直研究会ウェブサイト
「ゲーミフィケーション」に関するインタビュー
gコンテンツ流通推進協議会インタービュー

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