武田竜

武田 竜

たけだ りゅう。1984年（昭和59年）6月20日生まれ。日本の男子アルペンスキー選手。

経歴

北海道小樽市に生まれる。4歳で初めてスキーを経験し、小学1年生になると、父がコーチを務めていた地元のレーシングチーム「天狗山レーシング」に加入した。日本のトップ選手を多数輩出してきた小樽天狗山スキー場を拠点に、将来的に世界で活躍するアルペンスキーヤーになることを目指し、競技に打ち込んだ。

中学3年生時には、日本のトップジュニア選手として強化指定選手に選ばれた。その後、スキー強豪校として知られる北照高等学校を経て、近畿大学に進学。大学卒業後も国内外の大会に積極的に挑戦し続け、26歳で再び日本代表に復帰する栄誉を得た。

アルペン競技での活躍

アルペンスキーヤーとして、2011年の全日本スキー選手権大会アルペン競技男子回転種目で優勝を果たした。さらに2013年には、再び全日本スキー選手権大会のアルペン競技男子大回転種目で頂点に立つ。この2013年には国内大会で合計4勝を挙げ、ヨーロッパカップでは最高16位という成績を収めた。翌2014年、アルペンスキーの最高峰であるワールドカップの舞台、イタリア・ボルミオ大会に初出場を果たす。このワールドカップ出場を機に、活動の軸足を日本国内の大会へと移すこととなる。

スキー技術選手権への挑戦と二刀流

ワールドカップ出場後、国内に活動拠点を移した武田は、アルペン競技と並行して全日本スキー技術選手権大会への出場を開始した。技術選手権の初年度は9位となったが、その後は順調に成績を伸ばし、2019年の大会で初優勝。2020年は新型コロナウイルスの影響で大会が中止となったものの、2021年、2022年と連覇を重ね、前人未踏の3連覇を達成した。これは、アルペン競技で培った経験と技術が、スキー技術の追求という新たな分野でもトップレベルの結果につながったことを示している。

また、技術選手権と並行して、国民体育大会冬季大会のアルペン競技にも出場を続けた。特に2022年に開催された第77回国民体育大会冬季スキー競技大会（美の国あきた鹿角国体2022）では、この大会で自身3度目となる優勝を飾っている。

武田がアルペンスキーとスキー技術選手権という、性質の異なる二つの分野でトップを目指す「二刀流」を選択した背景には、日本国内においては広く知られにくいと感じていたアルペンスキーの魅力をもっと多くの人々に伝えるという強い目的意識がある。自身の競技活動を通じて、スキー全体の普及と発展に貢献したいと考えている。

指導者・育成活動

選手として活動を続ける傍ら、後進の育成にも意欲的に取り組んでいる。北見工業大学スキーアカデミーの外部コーチを務めるなど、自身の経験や技術を若い世代に伝える活動にも貢献している。

二つの異なるスキー競技の分野で卓越した技術と実績を示し、その経験を次世代に繋げようとする武田竜は、日本のスキー界において独自の存在感を放っている。

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