武者野勝巳

武者野勝巳の生涯と功績

武者野勝巳（むしゃの かつみ、1954年1月1日 - 2023年5月8日）は、群馬県館林市に生まれた将棋棋士であり、日本将棋界に名を刻んだ存在です。彼は師匠の花村元司九段の指導のもと、将棋界に足を踏み入れ、数々の試練を乗り越えて成長しました。彼の棋士番号は137です。

幼少期からの将棋との出会い

武者野はアマチュア名人戦に群馬県代表として出場した1971年に、将棋の世界への第一歩を踏み出しました。この体験がきっかけで、花村元司の薦めもあり、奨励会に入会。1972年からは、将棋会館に居住して修行を開始するなど、将棋への情熱を燃やしました。1975年には三段に昇進し、1979年には25歳で四段に昇格します。プロ入り初年度の王位戦では予選を突破し、リーグ入りを果たしましたが、そこでの成績は厳しく、全敗となりました。

将棋界での活躍

数回の全日本プロ将棋トーナメントやNHK杯での奮闘を経て、1984年度の順位戦では9勝1敗という好成績を収め、C級1組に昇級しました。しかし、そこからの成績は振るわず、1990年度にはC級2組に降格しました。その後フリークラスに転出し、2002年の銀河戦では予選を勝ち抜くなどの実績を残しましたが、活動の後半には多くの困難に直面しました。

不祥事と引退

2007年、武者野は日本将棋連盟から初めての引退勧告を受ける事態に至りました。この背景には、対局日程の勘違いによる不戦敗が連続して発生したことがありました。結果として、罰金や出場停止の処分を受けることになりましたが、彼はその後も現役を続け、2013年に正式に引退を迎えました。

日本将棋連盟理事としての活動

武者野は1983年から1987年まで理事を務め、千日手ルールの変更を主張したことでも知られています。この活動を通じて、彼は将棋界の制度改善に寄与しました。また、企業経営者としても活躍し、ソフトウェア関連の事業も展開しましたが、赤字が続き破産手続を経験しています。

エピソードと親交

武者野は多くのエピソードに残る人物でもあり、映画「Sex and the 王手」への出演や、将棋専門誌のイベントに参加したエピソードも彼の魅力を表しています。特に、「マリオ」という愛称は、彼の特徴的な見た目から生まれたもので、インターネット上でもよく知られています。現役末期には体調を崩しましたが、彼の情熱は衰えることはありませんでした。

引退後の遺産

2023年5月8日、武者野は69歳で生涯を閉じました。彼の残した遺産は、将棋界の一端として永遠に語り継がれることでしょう。また、著書や将棋指導を通じて、多くのファンや若手棋士に影響を与えたことは間違いありません。彼の人生は、将棋を愛し、将棋界の発展に寄与した証となっています。

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