銀河戦

銀河戦：早指し将棋の魅力とドラマ

銀河戦は、囲碁将棋チャンネルが主催する将棋のテレビ棋戦です。持ち時間が短い早指し戦であり、棋士たちの瞬時の判断力と高度な戦略が求められるスリリングな対局が魅力です。1991年度に創設され、2000年からは公式戦として、多くの将棋ファンに親しまれています。

大会方式

銀河戦は、予選、ブロック戦、決勝トーナメントという段階を経て優勝者を決定します。ブロック戦以降の対局は、囲碁・将棋チャンネルで放送されます。全棋士が参加可能な棋戦であり、その門戸の広さが特徴です。大会のシステムは、同じく囲碁将棋チャンネルで放送されている囲碁の竜星戦と類似しています。

予選

予選は、ブロック戦への出場者を決めるために行われます。原則として非公開で将棋会館にて実施されます。ただし、以下の棋士は予選が免除されます。

タイトル保持者
前年度決勝トーナメント進出者
順位戦上位者
前年度ブロック戦成績優秀者（3勝以上）

持ち時間は各25分で、それを使い切ると1手30秒となります。アマチュアにも出場資格があり、前回の決勝トーナメントに出場したアマチュアは、該当年度のアマチュア大会でブロック戦出場権を得ていない場合、予選に出場できます。

本戦トーナメント（ブロック戦）

本戦には、棋士、女流棋士、アマチュアを合わせて96名が参加します。参加者は12名ずつ8つのブロックに分かれ、パラマス形式のトーナメントを戦います。女流棋士とアマチュアは1回戦から、前年優勝者の銀河とタイトルホルダーは各ブロックの最終戦から出場します。その他の棋士は、順位戦の順位が下位の者から順に出場します。

各ブロックの優勝者と、優勝者を除く最多勝ち抜き者が決勝トーナメントに進出します。そのため、ブロック戦の1回戦や2回戦から出場した棋士は6連勝、3回戦から7回戦から出場した棋士は5連勝すると、決勝トーナメントへの出場が決まります。ブロック戦の1回戦から出場した棋士が11連勝でブロック優勝した場合、そのブロックからの決勝トーナメント出場者は優勝者のみとなり、出場枠は他ブロックの最多勝ち抜き次点者の高成績者に割り振られます。

持ち時間は各15分で、それを使い切ると1手30秒となります。ただし、切れてからも1分単位で合計10回の考慮時間があります。決勝トーナメントも同様のルールで行われます。千日手や持将棋になった場合、考慮時間が5分未満の棋士には、5分になるように考慮時間が追加されます。考慮時間が10回を超えた場合は、持ち時間となります。

放送時の解説者と聞き手は固定されていませんが、主に同じブロックの続く2局を同日に収録するため、解説者と聞き手は2局続けて出演することが多いです。決勝トーナメントでベスト4に進出した女流棋士とアマチュアには、棋士編入試験の受験資格が与えられます。

決勝トーナメント

16名による通常のトーナメントです。初戦は、ブロックの優勝者と他のブロックの最多勝ち抜き者が当たるように組まれます。優勝者には「銀河」の称号が与えられ、次回の大会までそのように呼ばれます。

特例

決勝トーナメントの決勝に進出した棋士が、フリークラス規定の在籍期限を満了したフリークラス編入棋士である場合、その棋士は銀河戦に次年度も参加できます。

記録

最多優勝：羽生善治（5回）
最長連覇：羽生善治、丸山忠久（2連覇）
最年長優勝：丸山忠久（54歳）
最年少優勝：藤井聡太（18歳）

テレビ放送

囲碁・将棋チャンネルで、毎週火曜と木曜の21:00から放送されます。1週間に2局ずつ放送され、対局が早く終わった場合は、詰め将棋などの再放送で時間が埋められます。第21期からは、棋譜読み上げ係が登場し、NHK杯と同様に棋譜の読み上げを行うようになりました。

新銀河戦

2021年には、囲碁・将棋チャンネル30周年を記念した非公式棋戦として新銀河戦が創設されました。銀河戦とは異なり、持ち時間が1分、1手ごとに10秒加算されるフィッシャールールという超早指しで行われます。決勝は三番勝負で行われました。

エピソード

銀河戦では、数々のドラマが生まれています。島朗が対局で誤って成銀を打って反則負けになったり、複数の棋士が二歩の反則を犯して敗れたりといった珍事も起きています。また、瀬川晶司アマがベスト8に進出したことが、プロ入りを志すきっかけになったり、元奨励会員でYouTuberの折田翔吾アマが棋士編入試験の受験資格を得てプロ入りを果たしたりするなど、銀河戦は棋士たちの人生にも大きな影響を与えています。

銀河戦は、早指し将棋の魅力と、棋士たちの熱い戦いを伝える、注目の棋戦です。

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