武蔵国郡村誌

武蔵国郡村誌について

概要

武蔵国郡村誌は、埼玉県が編纂した郡村誌の集大成として知られる重要な地誌です。この資料は、埼玉県内の各村や郡の歴史的情報をまとめたもので、地域の特性や変遷を知る上で貴重な手がかりを提供します。1953年に公式に刊行され、以降、様々な形で復刻やデジタル化が行われています。

歴史的背景

埼玉県が郡村誌を編纂する背景には、当時の県令である白根多助の指導のもと、さまざまな史料が集められたことがあります。1882年に入間県や熊谷県、浦和県などの資料が整備された後、1923年には関東大震災による図書館の火災で多くの原本が失われるという歴史的な悲劇がありました。しかし、1948年に控えが発見され、これを踏まえて1953年、正式に武蔵国郡村誌が刊行されました。

発刊とその意義

この郡村誌は、最初の版が埼玉県立図書館から出版され、全15巻にわたる内容を含んでいます。これにより、県民や研究者が地域の歴史にアクセスできるようになり、地域の文化や生活、産業の変遷に関する理解が深まりました。

構成

各巻の内容

武蔵国郡村誌は各郡の村誌と郡誌を収めており、具体的には以下のような内容になっています：

• - 足立郡村誌：全ての巻を合わせると、村の歴史や特徴が詳細に記されています。
• - 入間郡村誌：地域の人口や産業などが記述されています。
• - 比企郡村誌：ここでも村の構成や特徴に加え、重要な神社や寺院の情報も収集されています。
• - 秩父郡村誌や児玉郡村誌などにも同様の情報が整理されています。

このように、武蔵国郡村誌は埼玉県の各地域に関する情報を網羅しており、歴史的な観点から地域の発展を振り返るための重要な資料となっています。

発展と復刻

1988年には、東京大学史料編纂所が所蔵する残稿の一部が「大日本国誌 武蔵」として復刻され、さらに2022年には国立国会図書館が個人向けのデジタル化サービスを開始し、郡村誌全15巻のオンライン閲覧が可能となりました。

このように、武蔵国郡村誌は埼玉の地理や歴史を探求するための基盤として機能し続けています。

参考文献

今後の研究や学びに生かすため、小中学校や大学の授業、地域の歴史研究においてもこの資料は有用なリファレンスとなるでしょう。埼玉県立図書館や国立国会図書館のデジタルコレクションを参考にして、さらなる情報を得ることができます。

このように武蔵国郡村誌は、地域の歴史を知るための貴重な資料として、今後も多くの人々に利用され続けていくことでしょう。

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