白根多助

白根多助について

白根多助（しらね たすけ）は、文政2年5月6日（1819年6月27日）に生まれ、明治15年（1882年）3月15日に亡くなった、幕末から明治にかけて活躍した人物です。長州藩士として生まれ、後に明治政府の内務官僚、そして埼玉県令としてその才能を発揮しました。

生い立ちと長州藩での活躍

白根多助は、もともと長州藩士・太田直猷の七男として、周防国吉敷郡吉敷村佐畑（現在の山口県山口市）で生まれました。その後、白根兼清の養子となり、白根姓を名乗るようになります。

長州藩では、美禰郡宰として藩に出仕し、その後大坂藩邸でも勤務しました。文久3年（1863年）には、中山忠光らの長州移送に尽力するなど、藩のために重要な役割を果たしました。文久4年（1864年）には帰藩し、所帯方役として会計を担当。その後も、会計庶務方、美禰部署管事（代官）、山口藩会計大属などを歴任し、藩財政の維持に大きく貢献しました。

明治政府での活躍と埼玉県令としての功績

明治維新後、白根多助は明治政府に出仕し、明治4年（1871年）11月に埼玉県権参事に就任しました。その後、同参事を経て、1873年12月には同権令に、1875年12月には同県令へと昇進しました。

埼玉県令として、白根多助は地方税制の軽減に尽力し、時には政府と対立することも厭いませんでした。また、教育や産業の育成にも力を注ぎ、県民からの信頼も厚く、当時から名県令と謳われるほどでした。

白根多助の功績を称え、大宮公園内には頌徳碑が建てられています。

親族

白根多助には、以下のような息子たちがいます。

長男：白根竹助（政治家）
二男：白根専一（政治家）
三男：河野忠三（内務官僚）

栄典

明治15年（1882年）2月10日、白根多助は勲四等旭日小綬章を受章しました。

まとめ

白根多助は、幕末の動乱期から明治維新という激動の時代を駆け抜けた人物です。長州藩士として藩財政を支え、明治政府では埼玉県令として地方行政に尽力しました。その功績は今もなお、多くの人々に語り継がれています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
日本歴史学会編『明治維新人名辞典』吉川弘文館、1981年。
安岡昭男編『幕末維新大人名事典』上巻、新人物往来社、2010年。
上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。

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