武蔵流

武蔵流（むさしりゅう）

武蔵流は、宮本武蔵から派生した剣術の流派であり、円明流や二天一流といった系統と同様に、武蔵の教えを受け継いでいます。この流派はまた、塩田流小具足に付随した棒術の伝承も含んでいます。実際には、楠田円石という武士によって創設された流派でもあります。

概要

武蔵流の創始者である楠田円石は、本多氏の家臣として仕官していました。彼は宮本武蔵の弟子である石川清宣から直接剣術を学び、その後、不動剣や金剛剣の教えを自身の流派に取り入れました。こうして彼は、武蔵流と名付けた自身の剣術流派を確立しました。1730年代に岡崎藩に移封された本多氏のもとで、武蔵流は岡崎において伝承され続けました。

武蔵流の流派としての特徴は、剣術だけでなく、さまざまな戦術に重きを置いている点です。これは武蔵の教えそのものであり、彼の豊かな戦歴と経験がこの流派に色濃く表れています。

歴史的な影響

武蔵流はその後も弟子を育て、多くの剣士に影響を与えてきました。その中でも特に注目されるのが三橋鑑一郎です。彼は武蔵流と東軍流という異なる流派を修行した後、江戸に進出し、さらに鏡新明智流を学びました。その結果、三橋は1865年に武蔵流の第9代として認められました。

また、三橋鑑一郎は1903年に設立された剣道範士の一人にも選出されており、例えれば武道界における権威としての位置を確立しました。このように、武蔵流は自らの技術や教えを増やしながら、他の流派との交流や進化も遂げてきたのです。

武蔵流の修習と理念

武蔵流の教えは、単に技術にとどまらず、心構えや哲学的な側面も重視しています。剣術の技法を学ぶことはもちろん、武士としての生き方や道理も学ばなければなりません。これにより、剣士は単なる剣の使い手である前に、武士道を体現する人物を目指すことが求められます。

参考文献

武蔵流の歴史や技術を深く理解するためには、以下の参考文献が有益です。特に、綿谷雪と山田忠史が編纂した『増補大改訂 武芸流派大事典』は多くの流派の詳細を網羅しており、武蔵流を学ぶ上での貴重な情報源です。また、富永堅吾による『剣道五百年史』も、武道の歴史的背景を知るための良書として知られています。

武蔵流は、技術の洗練とともに人間的成長をうながす流派として、多くの剣士に影響を与え続けています。

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