武藤重勝

武藤 重勝（むとう しげかつ）の生涯と業績

武藤重勝は、1904年2月4日に日本統治下の台湾で生まれました。彼の幼少期は父の故郷である宮崎県児湯郡高鍋町で過ごし、さらに東京府の旧制第三中学校（現在の東京都立両国高等学校）に進学、そして旧制宮崎中学校（現在の宮崎県立宮崎大宮高等学校）に انتقالしました。当時、宮崎中学校の5年生だった彼は友人とともに武者小路実篤の手がけた「新しき村」を訪れ、実篤から大きな影響を受けました。

武藤は旧制宮崎中を卒業後、立教大学の文学部哲学科に進学し、1930年に卒業しました。その後、大学の図書館に勤務し、1938年には神戸市が主催する『神戸市歌』の歌詞募集で一等入選を果たしました。この歌は後に1951年に廃止されますが、彼の文才がうかがえる出来事です。1945年には立教大学図書館を退職し、その後は京都市立第三商業学校で教壇に立ちました。1948年まで旧制高鍋中学校で教諭を務め、文芸誌『なみき』を発刊するなどの活動も行いました。

1949年には立教大学に復帰し、図書館司書として再スタートを切ります。彼は副館長へと昇進しながら、私立大学図書館協会研究部理事や日本図書館協会評議員を歴任するなど、図書館情報学の分野でも大きな影響力を持ちました。定年退職後も1970年まで司書課程の非常勤講師として教壇に立ち続けました。

一方で、武藤は日本詩人クラブに所属し、詩の創作にも力を注ぎました。特に『現代詩選』を通じてその作品が発表され、また彼が関与した立教学院の機関誌『立教』にも多くの詩やエッセイを掲載しました。講師を退任後は高鍋に帰郷し、詩や俳句を中心とした創作活動を継続しました。

1990年6月19日、武藤重勝は脳梗塞により86歳でこの世を去りました。彼は日本聖公会の信徒であったため、遺言に従って聖公会教区葬の形式で葬儀が執り行われました。

著作

武藤の著作は、彼の死後に整理された遺稿として出版されました。以下が代表的な著作です：

• - 笠井剛 編『武藤重勝遺稿詩集 日向』（国文社、1991年）
• - 武藤ミヅノ 編『武藤重勝遺稿句集 星祭』（私家版、1992年）

彼の作品は、詩の世界でも高く評価され、心に残るメッセージを多くの人々に伝えています。これらの活動や作品を通じて、武藤重勝は日本の文学および図書館情報学の発展に多大な寄与を果たしました。

もう一度検索