大学図書館

大学図書館の概要

大学図書館（だいがくとしょかん）は、大学、短期大学、および高等専門学校によって設置される図書館のことを指します。この図書館は、大学の教育および研究活動を支援するために重要な役割を果たしています。日本では、大学図書館に関する特定の法律は存在しませんが、大学設置基準において図書館の設置が求められています。具体的には、第36条において、大学の組織や規模に応じた図書館の設置が言及されており、第38条では教育研究上必要な資料を図書館を中心に整備することが求められています。

一般的に、各大学ではその学内規定に基づき図書館の設置目的や役割を定めており、主に教員と学生の研究及び教育活動を支援するための施設として機能しています。このように大学図書館は、研究および教育の二つの主要な業務を担っています。

大学図書館の歴史

大学図書館の発展は、主に中世ヨーロッパの大学の成立と深く関連しています。初期の大学には、学寮図書館が存在し、1289年にはパリ大学のソルボンヌ学寮に図書館が開設されています。さらに、14世紀から15世紀にかけて設立された大学は、組織的な構造を持ち、教養学部や専門学部が設置され、その学部に図書館が附属する形となっていきました。

16世紀以降、印刷技術の進展により大学図書館の蔵書は増加し、さまざまな分野の研究に貢献するようになります。その後、近代に入るとアメリカの大学が世界的に研究の中心となり、大学図書館もアメリカの方式が広がっていきました。特に、大学図書館の改革は、ハーバード大学やコロンビア大学によって推進され、図書館サービスが多様化していきました。

日本の大学図書館の発展

日本における大学図書館は、1877年に東京大学に設置された図書館に始まります。この図書館は「図書館」という名称が初めて使われた例でもあります。その後、1882年に早稲田大学や、1885年中央[[大学]]、同志社[[大学]]にて図書館が設置され、日本の大学図書館も次第に増加していきました。

戦後、学制改革によって大学図書館の運営理念が見直され、1949年に公布された国立学校設置法に基づき、図書館に対する考え方も単なる書物の保管から、全学的な図書の管理と教育研究への寄与へとシフトしていきました。1960年代には、私立大学が先行して図書館のハード面を充実させ、さまざまなサービスの導入が進みました。

1990年代に入ると、情報技術の発展により、大学図書館の電子化が進展しました。OPAC（Online Public Access Catalog）システムの普及や、電子図書館の機能が強化される中で、日本の大学図書館も時代に合わせた変革を遂げています。

提供されるサービス

大学図書館では、一般的な公共図書館とは異なる特有のサービスが提供されています。たとえば、指定図書制度は、教員が学生に指定した文献を特別に扱うための仕組みであり、利用に際して特別の配慮が求められます。また、情報リテラシー教育も重要な役割を果たしており、利用者が図書館利用に際して必要なスキルや知識を得られるよう、さまざまな教育プログラムが整備されています。

研究室による図書資源の購入や管理も進んでおり、研究に必要な資料を大学図書館がサポートする体制が整えられています。これにより、大学の研究環境が改善され、学問の発展に寄与することが期待されています。

このように、大学図書館は学術研究の礎となり、教育活動を支える重要な存在であることが明らかです。

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