武豊火力発電所

武豊火力発電所

武豊火力発電所は、愛知県知多郡武豊町に位置するJERAグループの火力発電所です。衣浦港の西岸に位置し、対岸には碧南火力発電所があります。この発電所は、中部電力によって1966年に1号機が運転を開始し、その後4号機まで建設されました。

歴史

老朽化に伴い、1号機は廃止され、石油火力発電であった2号機は長期計画停止となりました。しかし、2011年5月23日、中部電力は浜岡原子力発電所の稼働停止要請を受け、2号機を再稼働させました。その後、2015年2月6日には、旧発電設備を廃止し、高効率の石炭火力発電所を新設するリプレース計画が発表され、2016年3月31日に2～4号機が廃止されました。

石炭火力発電は、液化天然ガスコンバインドサイクル発電と比較して二酸化炭素の排出量が多いため、地球温暖化への影響が懸念されました。そのため、石炭に木質バイオマス燃料（木質ペレット）を混焼することで、二酸化炭素排出量を抑制する対策が取られました。これにより、年間約12億kWhのバイオマス発電電力量と、約90万トンのCO2排出削減（石炭専焼時と比較）が計画されています。

2019年4月、リプレース事業は中部電力からJERAに引き継がれ、同年12月にはJERAの出資により「JERAパワー武豊合同会社」が設立されました。2011年10月31日から2015年10月まで、敷地内にはメガソーラーたけとよ発電所が併設されていましたが、5号機の建設に伴い川越火力発電所敷地内へ移転しました。

発電設備

5号機

定格出力：107万kW
使用燃料：石炭、木質ペレット（混焼率：約17%（発熱量比）、年間使用量：約50万トン）
熱効率：45％以上（低位発熱量基準）
着工：2018年4月18日
営業運転開始：2022年8月5日

廃止された発電設備

1号機
定格出力：22万kW
使用燃料：原油、重油
営業運転期間：1966年 - 2002年3月31日
2号機
定格出力：37.5万kW
使用燃料：原油、重油
営業運転期間：1972年6月 - 2016年3月31日
3号機
定格出力：37.5万kW
使用燃料：原油、重油
営業運転期間：1972年9月 - 2016年3月31日
4号機
定格出力：37.5万kW
使用燃料：原油、重油
営業運転期間：1972年11月 - 2016年3月31日

メガソーラーたけとよ（移転）

敷地面積：約12万m2
設備：ソーラーパネル3万9,168枚
出力：約7,500kW
想定年間発電量：約730万kWh
営業運転期間：2011年10月31日 - 2015年10月

爆発事故

2024年1月31日午後3時過ぎ、発電所で爆発があり、黒煙が上がっているという通報が複数寄せられました。JERAによると、午後3時14分にボイラーの囲い付近で発煙があり、石炭などの燃料を搬送するベルトコンベヤーで火災が発生したとのことです。火災は午後8時過ぎに鎮火し、現在原因調査が行われています。中部電力は、事故当日の記者会見で、管内の電力供給については「現時点で安定供給できると考えている」と述べています。

関連項目

日本の[[火力発電所一覧]]

外部リンク

JERAパワー武豊合同会社
* 武豊火力発電所

もう一度検索