武雄市民球場

武雄市民球場

佐賀県武雄市に位置する武雄市民球場は、「たけおしみんきゅうじょう」と読みます。この球場は、武雄市内に本店を置く九州ひぜん信用金庫が施設命名権を取得しており、地域に根差した愛称として「ひぜしんスタジアム」と呼ばれ、親しまれています。

歴史的背景と施設の整備

武雄市民球場が整備される以前、この地には1975年の佐賀県開催・国民体育大会（若楠国体）に合わせて建設された白岩球場がありました。しかし、年月を経て施設の老朽化が進んだため、その役目を終えることとなりました。武雄市民球場は、白岩球場の直接の跡地に建てられたわけではありません。白岩球場の後継施設として、西九州新幹線の建設工事の際に発生した残土を一時的に保管する場所として利用されていた市有地を整備し、新たな野球場として生まれ変わりました。この整備にあたっては、佐賀県内では初めてとなる全面人工芝が採用され、最新の設備を備えた施設として注目されました。

興味深いことに、白岩球場があった跡地は、同じく老朽化が進んでいた武雄市民体育館の移転先として活用されることになりました。この新しい市民体育館は「ケーブルワン・スポーツパーク」と名付けられ、2023年5月27日に開館しました。このように、周辺エリアではスポーツ施設の再整備が進められています。

活用状況

武雄市民球場は、地域のスポーツ振興に貢献するとともに、大規模な大会やプロ野球の試合にも使用されています。

2023年に創設された野球独立リーグである九州アジアリーグに準加盟する「佐賀アジアドリームズ」は、本球場と嬉野市のみゆき球場を主な本拠地として活動しています。これにより、地域住民は身近な場所でレベルの高い野球を観戦する機会を得ています。2024年4月13日には、佐賀アジアドリームズの本球場における歴史的な初の公式戦が、宮崎サンシャインズを迎えて開催されました。

また、近年では全国規模のスポーツイベントの舞台ともなっています。2024年に佐賀県を中心に開催された国民スポーツ大会（旧称：国民体育大会）では、本球場が軟式野球競技の成年男子部門の会場として選ばれました。全国から集まる強豪チームや選手たちが、全面人工芝のフィールドで熱戦を繰り広げました。

これらの事例からも分かるように、武雄市民球場は、地域のアマチュア野球だけでなく、プロ野球や全国大会レベルのイベントにも対応できる多目的な野球場として、その役割を果たしています。

アクセス

武雄市民球場へのアクセスは比較的便利です。最寄りの武雄温泉駅からは、車でおよそ10分程度の距離に位置しています。球場には来場者用の駐車場も完備されており、普通車124台、大型バス5台が駐車可能です。公共交通機関からのアクセスは車が中心となりますが、十分な駐車スペースがあるため、自家用車や送迎バスでの来場に適しています。

武雄市民球場（ひぜしんスタジアム）は、歴史あるスポーツ施設の系譜を受け継ぎつつ、最新の設備と全面人工芝という特徴を持つ現代的な野球場として、地域のスポーツ活動や大規模イベントの中心的な役割を担っています。

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