佐賀アジアドリームズ

佐賀アジアドリームズ（さがアジアドリームズ、Saga Asia Dreams）は、佐賀県を活動拠点とする日本のプロ野球独立リーグの球団である。九州アジアリーグに準加盟しており、2024年シーズンから一部の公式戦に出場している。リーグの略称は「佐賀」。発足当初は「佐賀インドネシアドリームズ」という名称であったが、2025年1月23日付で現球団名に変更された。

概要

球団発足時、選手構成は主に野球インドネシア代表メンバーに加え、スリランカやフィリピンなど合計5カ国から集まった選手たちであった。彼らはそれまでの職業から離れ、プロ選手としてチームに参加している。2024年3月時点では日本人選手も所属している。本拠地は武雄市のひぜしんスタジアムと、嬉野市のみゆき球場（嬉野総合運動公園野球場）である。

球団設立は、2018年にインドネシアでの野球指導を経験した球団社長の福原佑二氏が、現地に野球を継続できる環境が不足していることを知り、自らチーム結成を決意したことに端を発する。全日本野球協会会長からもアジアにおける野球普及の重要性について激励を受けている。2023年4月の設立記者会見では、福原社長に加え、元千葉ロッテマリーンズの香月良仁氏、ペライチ創業者の山下翔一氏、インドネシア・スリランカ代表監督を務めた野中寿人氏らが共同代表として名を連ねた。同年11月には、香月氏が監督に、山下氏がゼネラルマネージャー（GM）に就任することが発表された。この球団はインドネシア本国の国営放送で取り上げられるなど、国際的な注目度が高い。2024年シーズンにはインドネシア、スリランカ、シンガポールの大手メディアが取材に訪れ、球団公式の配信動画視聴者の約9割が海外からとなっている。

球団は当初、2025年のリーグ正式加盟を目指していた。しかし、2024年シーズン終了後の報道や2025年1月の体制発表会で、体力や経験の不足から、2025年も引き続き準加盟として活動することが明らかにされた。

リーグでの活動

2024年シーズンは準加盟球団として、リーグ加盟4球団との間で合計16試合の公式戦を実施する計画で始まった。ホームゲームの開催球場は、当初ひぜしんスタジアム4試合、嬉野総合運動公園2試合、未定2試合とされていたが、日程変更を経て、最終的にひぜしんスタジアムで6試合、嬉野総合運動公園で2試合の主催試合を行った。この初年度シーズン、公式戦は16試合全てで敗戦という結果に終わった。初戦では7回コールド負けを喫し、シーズン中にはリーグ史上初の完全試合を許している。ただし、練習試合では勝利を記録している。

2025年シーズンについても準加盟が継続され、体制発表会では24試合を実施する予定であると発表された。リーグの発表によると、加盟4球団とそれぞれホーム・ビジター3試合ずつ、合計24試合を行う予定である。主催試合は12試合で、ひぜしんスタジアムと嬉野総合運動公園でそれぞれ6試合ずつ開催される計画である。

なお、佐賀アジアドリームズの所属選手の公式戦記録は、リーグの個人成績表彰の対象外となっている。

沿革

2023年4月21日 - 熊本市で記者会見を行い、2024年からのリーグ戦参加意向を表明（この時点では球団名未定）。
2023年9月27日 - 九州アジアリーグが準加盟を承認し、2024年の一部公式戦参加を許可。
2023年11月2日 - 球団名を発表。武雄市、嬉野市とホームタウン協定を締結。山下翔一氏のGM、香月良仁氏の監督就任を発表。
2024年3月28日 - 嬉野市で体制発表会を開催。球団ソングも発表。
2024年4月12日 - リーグより登録選手と背番号が発表される（監督・コーチは選手兼任）。
2024年4月13日 - 初の公式戦をひぜしんスタジアムで開催。球場イベント含め3811人が来場。
2024年4月 - 球団運営会社を嬉野市に移転。
2024年6月7日 - 元東京ヤクルトスワローズの水野祐希氏のコーチ就任を発表（後に選手兼任も発表）。
2024年9月1日 - 2024年シーズンの公式戦を終了（16戦全敗）。
2025年1月23日 - 球団名を「佐賀アジアドリームズ」に変更。武雄市で2025年シーズンの体制発表会を開催し、名称変更はアジア全体への野球普及をより強く意識したためと説明。同発表会で選手の出身国増加計画（8カ国に）やファーム構想も明らかにされた。
* 2025年3月31日 - リーグ公式戦で初勝利を挙げる。

運営

球団は、野中寿人氏らが設立したNEOアジアプロ野球機構の傘下組織という位置づけにある。球団運営資金については、野球関連事業に加え、インドネシアとのつながりを活かした水産業などの産業活動仲介事業からも得る方針とされている。2024年6月時点では15社のスポンサーが集まり、初年度から黒字の見込みと報じられた。

佐賀市にある球団事務所は、リーグ規定により日本国内に法人組織を置く必要があるため設置されており、野中氏の実家がその所在地となっている。

選手の生活拠点としては、スポンサー企業が無償提供する嬉野市内の集合住宅や、和多屋別荘の施設が使用された。球団は選手の食費や光熱費を負担している。試合や練習のない日には、選手たちが農作業支援や地域の夏祭りへの参加などを通じて、地域住民と積極的に交流する機会を持った。リーグ代表も、試合数が少ない準加盟球団だからこそ地域との交流機会が増え、このような活動の重要性を感じたと述べている。

2025年シーズンに向けて、GMの山下氏は選手の出身国を8カ国に増やすと共に、将来的な構想として出身国を14～15カ国に増やし、選手育成を目的としたファーム組織の発足も示唆している。

選手・スタッフ

ゼネラルマネージャーは山下翔一氏が務める。監督、コーチの中には選手を兼任する者もいる。所属選手の情報は当初球団ウェブサイトで公開されたが、2024年4月12日にはリーグウェブサイトでも開幕登録選手として掲載された。

公式ウェブサイトやSNS等で最新情報が発信されている。

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