歩兵第24連隊

歩兵第24連隊

歩兵第24連隊（ほへいだい24れんたい）は、かつて大日本帝国陸軍に存在した歩兵部隊の一つです。通称は「福岡連隊」とされ、その名の通り福岡に深い縁がありました。

設立から編成完了まで

この連隊の起源は、1884年（明治17年）に小倉で編成された第一大隊に遡ります。これは歩兵第14連隊第一大隊などから抽出された兵士によって構成され、井街清顕少佐が初代大隊長を務めました。その後、部隊は1886年（明治19年）5月に福岡の分営へ移動し、同年6月には連隊本部が設置され、竹田実行中佐が初代連隊長に就任しました。続いて第二大隊が創設され、同年8月には日比谷練兵場にて歩兵第12旅団長野崎貞澄を通じて軍旗が拝受されました。初代旗手は亀山正篤少尉です。第二大隊も同年12月に福岡分営へ移りました。1888年（明治21年）には第六師団が創設され、これに伴い連隊の衛戍地が正式に福岡城内となりました。同年12月には第三大隊が創設され、ここに歩兵第24連隊の編成が完了しました。

主要な従軍・派遣

連隊は創設以降、数々の戦役や事変に派遣されました。

日清戦争

1894年（明治27年）に日清戦争が勃発すると、連隊は第二軍隷下で従軍しました。動員命令を受けた後、衛戍地を出発し、門司港から仁川へ上陸、京城・龍山に駐屯しました。その後、旅順攻略に向かい、11月21日には二龍山への攻撃を敢行、激戦の末これを占領しました。戦後も旅順の警備にあたり、翌1895年（明治28年）6月に凱旋、復員を完了しました。

1896年（明治29年）12月には所属が第六師団から第十二師団に変更されました。

日露戦争

1904年（明治37年）、日露戦争が始まると、連隊は第一軍隷下で出征しました。衛戍地を出発し、仁川に上陸後京城に入りました。1905年（明治38年）3月の奉天会戦に参加した後、鉄嶺や崔陣堡に駐屯しました。同年12月に福岡へ凱旋し、復員を完了しました。

シベリア出兵

1918年（大正7年）にはシベリア出兵に派遣され、第一梯団に編入されました。博多駅や門司港から出発し、ウラジオストクに到着後、ニコリスクへ移動しました。その後、クラエフスキーを含む各地を転戦しました。1919年（大正8年）1月には召集将校以下の一部が一時帰還しましたが、敵の反撃激化により4月に連隊主力は再度召集され、ハバロフスクでの警備にあたりました。同年6月から7月にかけて順次帰還し、博多駅で凱旋式が行われました。

国内での活動と上海事変

国内では、1925年（大正14年）に発生した九州大学医学部の火災において、2個中隊が消火活動に出動しました。同年12月には、中国の奉天派郭松齢の兵変に関連して、1個大隊が中国へ派遣されました。

1926年（大正15年）には、連隊内で水平社同人への差別的発言が発生し、水平社との間で差別解消に向けた交渉が行われる「福岡連隊差別事件」が起こりました。また、連隊長官舎への爆発物投擲事件や、陸軍特別大演習前の水平社関係者逮捕なども発生し、国内の社会情勢と無縁ではなかった側面も持ち合わせていました。

1932年（昭和7年）、第一次上海事変が勃発すると、連隊の第一大隊が派遣されました。編成完了後、佐世保から出航し、呉淞に上陸。黄浦江を遡上して徐家宅へ上陸しました。その後、紀家橋付近などの戦闘に参加しました。特に2月22日の廟行鎮の戦闘では、独立工兵第18大隊第二中隊による決死の肉薄攻撃（後に「爆弾三勇士」として顕彰）の援護を受けつつ敵トーチカを撃破しました。戦闘停止後も守備任務にあたり、3月下旬に門司港へ帰還し、復員を完了しました。

満州駐屯と終戦

1936年（昭和11年）4月からは満州に駐屯し、梨樹鎮周辺での治安維持活動に従事しました。1937年（昭和12年）3月には寧安へ移動しました。

太平洋戦争中の1944年（昭和19年）2月、連隊の第三大隊は独立第49旅団に編入され、ヤップ島に派遣されて終戦まで同地に駐屯しました。連隊主力は同年12月に台湾の高雄州へ移駐し、そこで終戦を迎えました。

終戦に伴い、大日本帝国陸軍の他の部隊と同様に、歩兵第24連隊もその歴史に幕を下ろを閉じました。

もう一度検索