歩度根

歩度根の歴史と影響

概要

歩度根（ぶどこんまたはほとこん）は、生年不詳から233年まで生存した鮮卑族の大人（部族長）です。彼の兄である魁頭が死去した後、彼が部族の指導者となります。歩度根の指導下で鮮卑族は強大だった時期もあったものの、次第に衰退していきました。彼の兄弟である扶羅韓も別の大人としての地位を持ち、部族内での権力闘争を見せました。

経歴の始まり

歩度根が部族の指導者となった背景には、兄魁頭の死がありました。彼はその代わりに立ち、鮮卑族のリーダーとしての役割を引き継ぎました。しかし、歩度根が指導者になった後、彼の指導下での部族の勢いは再び薄れ、扶羅韓が数万の支持者を持って権力を握る事態となりました。

曹操との関係

建安12年（207年）、曹操が柳城に遠征し烏桓を征伐した際、歩度根はその勢力に対抗する形で朝貢を行いました。この際、彼は護烏桓校尉の閻柔を通じて献上品を贈りました。後に、歩度根の部下である軻比能が扶羅韓を排除し、両者の関係が敵対に変わっていきます。

王への称号

黄初元年（220年）、文帝が即位すると、歩度根は馬を献上し、鮮卑王の称号を受けました。この時、田豫が護烏桓校尉になり、歩度根との関係を深めました。歩度根は文帝から正式な王としての地位を授与され、その後も幾度となく軻比能と戦闘を繰り広げましたが、彼の指揮する部隊は次第に弱体化していきました。

境地の移動と衰退

指揮下の部隊の減少を受けて、歩度根は太原郡と雁門郡に移り、安全を確保しようとしました。彼は再び、泄帰泥を誘って自分の部族に引き込みます。黄初5年（224年）には正式に朝廷に上がり、貢物を捧げながら手厚い賜り物を受けるまでに至ります。以降、彼は辺境の守護に尽力し、侵略行為を控えることとなります。

軻比能との和親と結末

明帝の青龍元年（233年）、長年の敵対関係にあった軻比能が和親の約束を持ちかけてきます。並州刺史の畢軌はこれを危惧し、歩度根を迎えに出た軻比能の軍を襲撃しました。しかし、軻比能の子がこれを迎撃し、畢軌の軍を撃退することができました。その後、歩度根は再び泄帰泥とその部族民すべてを引き連れて、軻比能のもとに身を寄せることになります。これにより、彼は並州で侵略を行い、多くの人々を殺害して俘虜にします。

最後に、明帝は従軍将軍の秦朗を派遣し、歩度根を征伐することを決定しましたが、歩度根は敗走し、最終的には軻比能によって命を落としました。

参考資料

本記事は『三国志』の魏書、特に明帝紀や鮮卑伝を基にしています。

もう一度検索