歯学部

歯学部について

歯学部は、歯科に関する研究と教育を行う大学の一部で、主に歯科医師を養成するための学部です。従来は「歯学科」という一本化された学科が存在しましたが、近年では歯科衛生士や歯科技工士を育成するような新しい学科も多く見られます。これにより、歯学部の教育の幅は広がり、より多様な専門職への進路が可能となりました。

歯学部の構成

日本国内には27の大学と29の歯学部が存在し、そのすべてが臨床実習を行うための「大学病院」を有しています。特に、歯科技工士や歯科衛生士の専門学校が附属校として設置されている大学も多く、そのため一つの学部が広範な役割を担っていることが特徴です。日本では歯学課程の修業年限は最低6年間と定められており、卒業生は「学士（歯学）」の学位を取得しますが、博士課程に入学することが可能で、修士に相当する学位として扱われます。

教育内容

歯学部の教育は6年間にわたる大規模なカリキュラムで構成されており、基礎医学課程は医療系学部と非常に似ています。1年生から2年生の間には一般教養科目を学び、2年生から4年生にかけて基礎医学を学びます。5年生には臨床実習に必要な試験（CBT・OSCE）を受験し、合格しなければ臨床実習には参加できません。4年生から6年生の間には、これまで学んできた知識を生かし、実際の患者を相手に治療、治療計画の立案、患者とのコミュニケーションを学びます。

臨床実習は非常に重要であり、学生は実際に患者の治療を行う際には指導医の監督の下で行動します。この実習では、一人の学生が30名以上の患者に対して治療を担当することも珍しくなく、実際に治療や抜歯、歯石除去を行う場面もあります。従って、学生には高い専門知識と技術が求められます。

大学院課程

歯学部には大学院課程も用意されており、大学院の修了生は博士号や修士号を取得できます。多くの学生は大学院に進学し、さらに専門性を深めています。入学が理論上可能である修士課程も存在しますが、一般的には歯学部の卒業生は直接博士課程に進むことが多いです。加えて、ほとんどの歯学部では編入学制度があり、他の学部からも多くの学生が編入して学ぶ機会があります。

歯学部と海外の違い

国によって歯科医師の養成方法は異なります。たとえば、アメリカではデンタルスクールに進学し卒業後に試験に合格することが必要です。日本でも、アメリカのシステムを導入すべきか検討されているとのことです。また、ドイツや中国では医師資格を取得した後、専門医資格を得るために追加教育を受けることで歯科医師の資格を取得するというシステムがあります。

まとめ

歯学部は歯科医療を学ぶ上で大切な教育機関であり、様々な専門職や研究に進む学生を育成しています。今後も新たな学科の設立や教育の質の向上が期待される分野と言えるでしょう。

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