歳入

歳入:国家と地方公共団体の収入



歳入とは、国や地方公共団体が1会計年度に得る収入のことで、政府の財政運営に欠かせない要素です。近代的な会計制度では、会計年度独立の原則に基づき、歳出(支出)は当該年度の歳入でまかなうことが基本となっています。そのため、1会計年度における収入を正確に把握することが重要になります。

歳入の分類



歳入は、いくつかの観点から分類できます。

一般財源と特定財源: 歳出の使途が定められていないものを一般財源、特定の歳出に充てるものを特定財源といいます。日本のガソリン税のように、道路整備などに充てることが決められているものが特定財源の代表例です。
自主財源と依存財源: 政府や自治体が独自に獲得する収入を自主財源、国や他の団体からの交付金など、他者からの収入を依存財源といいます。地方交付税は依存財源の典型的な例です。
* 経常的歳入と臨時的歳入: 定期的に得られる収入を経常的歳入、不定期に得られる収入を臨時的歳入といいます。

会計年度独立の原則においては、歳入が発生した時点(発生主義)と収入が確定した時点(形式主義)のどちらを基準とするかが問題となります。実際には、両方の要素を考慮した運用がなされています。

歳入の主要な構成要素



歳入の多くは租税によってまかなわれています。租税法律主義に基づき、租税の徴収には法令に基づいた根拠が必要です。租税以外には、使用料・手数料、交付金・負担金、国債や地方債などの公債、そして通貨発行益などが歳入に含まれます。

重要な点として、歳入は歳出に充てることのできるフロー(流動的な財源)であるということです。公共部門が不動産などを取得しても、それはストック(保有資産)であり、歳入には含まれません。

歳入の収納と調定手続き



日本では、歳入を予算通りに収納するために、調定という手続きが不可欠です。調定とは、歳入の所属年度、科目、金額、納入義務者、納期限などを調査・決定する手続きです。調定後、納入義務者に対して納入を請求し、債務の履行によって歳入が収納されます。

租税の収納においては、納税者間の公平性を確保するため、滞納者に対する厳格な処分が法律で定められています。例えば、他の債権執行とは異なり、裁判所の許可なく滞納者の財産を差し押さえることができます。これは、歳入の確保を優先する制度設計が反映されたものです。

まとめ



歳入は、国家や地方公共団体の財政運営の基盤です。その分類、収納手続き、そして法制度上の位置づけを理解することは、健全な公共財政を維持するために不可欠です。租税を中心とした歳入の確保と、公平な納税システムの維持が、安定した社会運営に繋がるのです。歳入に関する理解は、国民一人ひとりの責任でもあります。

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