歳出

歳出とは

歳出（さいしゅつ、英: government spending）とは、会計年度における中央政府、地方政府、地方自治体などの公共部門が行う支出のことです。近代的な官庁会計制度では、歳出はその年度の歳入で賄うという会計年度独立の原則に基づいており、会計年度ごとに重視されます。つまり、1会計年度内に行われる支出を歳出と呼んでいます。

概要

歳出は、毎年度、公共部門が行うあらゆる会計支出を指し、その内容は多岐にわたります。具体的には、社会保障、福祉、公共事業、教育、軍事、公務員の人件費などが含まれます。また、国債も歳出に含まれますが、債務償還費を一般会計予算に計上しない国もあります。歳出は、政府が財政政策を実現するための重要な要素です。

会計年度独立の原則の下では、歳出は歳入の範囲内で行うという制約を受けます。また、多くの国では総計予算主義（歳入歳出のすべてを予算に計上する）を採用しており、予算は議会の議決を経る必要があります。そのため、歳出の執行は予算と議会という強い制約下に置かれています。このため、国民や住民の要求に迅速に対応できない側面もあります。

歳入と同様に、歳出もその所属する会計年度が非常に重要です。支出の原因が発生した時点を重視する発生主義（予算主義）と、支出が完了した時点を重視する形式主義（現金主義・決算主義）という2つの考え方があります。実務上は、どちらか一方に偏ることはなく、日本では状況に応じて折衷的な運用がされています。日本の歳出の約3分の1は社会保障費が占めており、歳出増加の抑制策や制度改正を含む抜本的な取り組みが求められています。

歳出の種類

歳出は、その性質によっていくつかの種類に分類されます。

政府最終消費支出

政府が、個人や集団のニーズを満たすために、直接使用する物品やサービスを購入する支出です。これは、政府会計において「use of income account」で計上され、コミュニティの個人消費や集団需要を直接満たすための支出となります。

公的固定資本形成

公共インフラの整備など、将来の経済活動や社会生活を支えるための投資的支出です。道路、橋、学校、病院などの建設や改修などが含まれます。

移転支出

商品やサービスの購入を伴わず、金銭の移転のみが発生する支出です。社会保障給付金や生活保護費などが該当します。これらの支出は、商品やサービスの消費や生産を伴わないため、網羅的な支出とされます。移転支出は、商品やサービスをトレードしない支出とも言えます。例としては、福祉配当、社会保障、政府補助金などがあります。

国際比較

各国のGDPに占める政府支出の割合は、その国の経済規模や政策によって異なります。以下は、各国の政府支出のGDPに占める割合を示したものです（出典: ヘリテージ財団とウォール・ストリート・ジャーナルによる2011年経済自由度指数。比較には税収を含む）。

（出典元の情報がないため、具体的な数値は記述できません。）

脚注

（特筆すべき脚注はありません。）

関連項目

財政
歳入
歳入歳出外現金
費用

もう一度検索