官庁会計

官庁会計とは

官庁会計（かんちょうかいけい）は、国および地方公共団体が行う会計のことで、公会計（こうかいけい）とも呼ばれます。企業会計とは異なり、会計処理の方法は法令で定められているのが特徴です。主に、一般会計、特別会計、公営企業会計の3つに分類されます。

官庁会計の根拠

官庁会計は、企業会計とは異なり、会計の方法が法令によって定められています。国の会計においては、財政法を背景に会計法が制定され、具体的な実施については予算決算及び会計令によって規定されています。地方公共団体の会計では、地方自治法に基づき会計が行われ、詳細については各自治体の条例や規則に定められています。

会計の種類

官庁会計は、主に以下の3つの領域に区分されます。

財産会計: 国有または公有の不[[動産]]を処理する会計領域。
動産会計: 国有または公有の動産を処理する会計領域。
現金会計: 現金の収支を処理する会計領域。

これらの会計領域をさらに区分すると、以下のようになります。

一般会計: 特別会計に属さないすべての会計を指します（財政法第13条第1項、地方自治法第209条第1項）。
特別会計: 国や地方公共団体が特定の事業を行う場合や、特定の歳入を特定の歳出に充てる必要がある場合に、一般の歳入歳出と区分して経理するために設置される会計です（財政法第13条第2項、地方自治法第209条第2項）。
公営企業会計: 国や地方公共団体が運営する公営企業（水道事業、鉄道事業など）が行う会計で、基本的に企業会計に準拠していますが、公共的な事業であるため、一般の企業会計とは異なる点もあります。

普通会計と公営事業会計

総務省が実施する「地方財政状況調査」では、自治体間の比較を容易にするため、普通会計という概念が用いられます。普通会計は、公営事業会計以外の会計をまとめたもので、自治体間の財政状況を比較する際に用いられます。一方、公営事業会計は、地方公共団体が運営する公営企業や公営事業に関する会計の総称です。地方債マーケットに影響を与える財政指標も、この普通会計決算を基に算出されます。ただし、普通会計を作成する過程で、自治体は一般会計・特別会計の決算数値を操作する必要があるため、決算の適時性を欠くという課題も指摘されています。

近年の動向

従来、一般会計や特別会計は、会計年度独立の原則に基づいた単年度会計、単式簿記が採用されていました。しかし近年では、バランスシートを導入し、長期的な収支を把握しようとする自治体が増加しています。これにより、より透明性の高い財政運営を目指す動きが活発化しています。

関連項目

会計
企業会計
財政
財政投融資

外部リンク

* 会計法 - e-Gov法令検索

もう一度検索