歴史への招待

『歴史への招待』は、1978年4月6日から1984年3月7日までNHK総合テレビで放送された教養番組です。司会は当時NHKのアナウンサーだった鈴木健二が務めました。

概要

この番組は、NHKの歴史番組の草分け的な存在として知られています。番組が制作されるきっかけは、1978年度春の番組改編期に遡ります。当時、月曜ゴールデンタイム枠で30分間の教養番組を生放送するための企画が持ち上がり、化学産業班の企画と教養番組班の企画が競合することになりました。結果として、月曜枠は化学産業班が獲得し、教養番組班には木曜22時からの生放送枠が与えられました。

それまでの歴史番組は、作家や歴史学者がゲストとして出演し、歴史上の人物や事件について語るトーク番組の形式が主流でした。前番組である『新日本史探訪』も同様のスタイルでした。しかし、『歴史への招待』は、鈴木健二が出演していた教養情報番組『スポットライト』の手法を受け継ぎました。『スポットライト』は、歴史の中で忘れ去られた事実に焦点を当て、徹底的な取材によって掘り起こすことを特徴としていました。鈴木と『スポットライト』のスタッフが『歴史への招待』に移ったことで、この手法が継承・発展し、新たなスタイルの歴史番組が誕生しました。

『歴史への招待』の大きな特徴は、明治維新以前の人物や事件だけでなく、煙突男や説教強盗といった現代史とも言える昭和時代の事件も取り上げた点です。この斬新な試みが、NHKの歴史番組制作における基礎となり、現在放送中の『歴史探偵』にもそのノウハウが受け継がれています。

放送日時

木曜 22:00 - 22:30 （1978年4月6日 - 1981年3月12日）
土曜 22:00 - 22:30 （1981年4月11日 - 1982年3月6日）
水曜 22:00 - 22:30 （1982年4月7日 - 1984年3月7日）

※ 別の時間帯での再放送も行われていました。

書籍化

番組の内容は、日本放送協会編として日本放送出版協会から書籍『歴史への招待』（全32巻）として、1979年から1984年まで刊行されました。その後、単行本から一部を抜粋し、時代順・テーマ別に再編集された新書版（全32巻）が、1988年から1990年にかけて刊行されました。

関連番組

日本史探訪（1970年4月8日 - 1976年3月27日）
スポットライト（1972年4月6日 - 1978年3月9日）
新日本史探訪（1976年4月27日 - 1978年2月28日）
歴史ドキュメント（1984年9月 - 1988年4月）
歴史誕生（1988年8月 - 1992年3月）
歴史発見（1992年4月 - 1994年3月）
ライバル日本史（1994年4月 - 1996年3月）
堂々日本史（1996年4月 - 1999年3月）
ニッポンときめき歴史館（1999年4月 - 2000年3月）
その時歴史が動いた（2000年3月29日 - 2009年3月18日）
歴史秘話ヒストリア（2009年4月 - ）

外部リンク

歴史への招待 - NHK放送史
NHKオンデマンド｜今月のピックアップ（歴史への招待特集）

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