死因究明等推進基本法

死因究明等推進基本法について

概要

死因究明等推進基本法（以下、「本法」といいます）は、死亡の原因を明確にし、個人の尊厳を守る目的で設けられた日本の法律です。本法は2019年6月12日に公布され、2020年4月1日から施行されています。法律の目的は国家及び地方公共団体の役割と責任を明らかにし、死因の解明を取り巻く施策についての基本理念を確立することにあります。

具体的には、死因の診断、検案、解剖、検視といった方法によって、死亡の原因、推定時期、場所などを明らかにする事を指し、これを「死因究明」と呼びます。また、死体の身元を特定することを「身元確認」といい、これらを総称して「死因究明等」としています。

施策の推進

本法に基づき、政府は死因究明等に関する施策を推進する計画を立案しなければなりません。具体的な施策に関しては、国会に年次報告を行う義務があります。これにより、国民は施策の進捗を確認でき、透明性を持って政策が進められることが期待されています。

さらに、厚生労働省内に「死因究明等推進本部」を設置し、厚生労働大臣がその本部長を兼任します。この本部は、最大10名の本部員を持ち、専門的な調査を行うための専門委員も設けることが可能です。そして、関係行政機関の職員から、厚生労働大臣が選任した幹事が本部の活動を支えます。

法律の構成

本法は以下の6つの章から構成されています。

第1章 総則（第1条 - 第9条）

本章では、法律の基本的な考え方や目的、施策の基本となる事項が定められています。

第2章 基本的施策（第10条 - 第18条）

この章では、死因究明に向けた具体的な施策が示されています。

第3章 死因究明等推進計画（第19条）

施策を実現するための推進計画の策定が述べられています。

第4章 死因究明等推進本部（第20条 - 第29条）

本部の組織や機能、役割について詳述されています。

第5章 死因究明等推進地方協議会（第30条）

地方における協議の場を設置し、その役割が定義されています。

第6章 医療の提供に関連して死亡した者の死因究明に係る制度（第31条）

医療過程において死亡した場合の特例について規定しています。

おわりに

死因究明等推進基本法は、医療や福祉の分野における重要な法律であり、国民がより安心して暮らすための基盤を形成するものです。社会全体で、死亡の原因をしっかりと理解し、個人の尊厳を守るために必要な施策が実施されることが求められています。

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