死霊館 悪魔のせいなら、無罪。

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』（しりょうかん あくまのせいならむざい、原題：The Conjuring: The Devil Made Me Do It）は、2021年に公開されたアメリカのホラー映画で、マイケル・チャベスが監督を務めました。この作品は、実際に1981年に発生した「悪魔が私に殺させた」という事件を基にしており、心霊研究家のエドとロレイン・ウォーレン夫妻の視点から描かれています。

物語の背景

本作は、前作『死霊館』（2013年）や『死霊館 エンフィールド事件』（2016年）の続編であり、さらに『アナベル 死霊博物館』（2019年）へと繋がる「死霊館ユニバース」の第8作目。また、R15+に指定されています。物語は、悪魔の影響を受けた若者が人を殺してしまうという衝撃的な出来事から始まります。

ストーリーの展開

1981年、ウォーレン夫妻は8歳の男の子デヴィッドの悪魔祓いを行いますが、儀式の最中、エドは悪魔の力に押しつぶされて意識を失います。意識を取り戻したエドは、デヴィッドの姉の恋人アーニーに悪魔が移りつつある様子を見ます。警告が間に合わなかったため、アーニーは知人を刺殺してしまい、悪魔に憑依されたとして逮捕されます。ウォーレン夫妻はアーニーを救うために、法廷で戦うことを決意しました。

ウォーレン夫妻はデヴィッドの家の床下で黒魔術の彫像を発見し、悪魔を召喚する呪いがかけられていることに気付きます。しかし、地元のオカルト研究家カスナーを訪れても、必要な手がかりは得られませんでした。事態は進展し、行方不明の少女ジェシカの家からも類似の悪魔の彫像が見つかります。ロレインは持ち前の霊能力でジェシカの遺体を発見し、幻視を通じて地下トンネルの儀式を目撃します。

クライマックスと裁判

次第に、ウォーレン夫妻は悪魔の背後にいる謎の女性アイラにたどり着きます。アイラはカスナーの娘で、悪魔の儀式に深く関与していました。エドがロレインを救おうとする中、アイラはエドを操りロレインを攻撃させようとしますが、寸前にエドは正気を取り戻し、儀式の祭壇を破壊します。

1981年の暮れ、アーニーの裁判が始まり、懲役5年の判決は下されましたが、予想された死刑は回避されます。この裁判はアメリカ史上初めて「悪魔に憑依されたために無罪を主張」したケースとして注目を集めました。

キャストと制作

主要キャストには、ウォーレン夫妻を演じるヴェラ・ファーミガ（ロレイン）とパトリック・ウィルソン（エド）、その他にも若手俳優たちが重要な役割を果たしています。製作にあたっては、2019年に主要撮影が開始され、同年内に撮影は終了し、サウンドトラックもジョセフ・ビシャラによって製作されました。

評価と興行収入

映画は、初週末に約2410万ドルの興行収入を記録し、全米で1位に輝きましたが、批評家からの評価はあまり高くはありません。Rotten Tomatoesでは批評家支持率が56%となり、Metacriticは平均56点を付けています。多くのレビュアーは本作が前作に比べて劣っていると指摘していますが、ウォーレン夫妻の演技が観客の楽しみの要素となっていることは間違いありません。

本作は、恐怖の背後に潜む人間のドラマと実際の事件に基づくストーリーが交錯し、観客に強い印象を残す作品となっています。

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