殊功勲章

殊功勲章（Distinguished Service Order）

殊功勲章（しゅこうくんしょう、英: Distinguished Service Order）は、イギリスの軍事勲章であり、略称はDSOです。この勲章は、主にイギリス軍の軍人が実際の戦闘において特に優れた功績を上げた際に授与されます。もともとは将校以上が対象でしたが、1993年の改正により下士官も受章可能となりました。

創設と授与の歴史

殊功勲章は1886年に女王ヴィクトリアによって創設され、正式にロンドン・ガゼットでその旨が発表されました。1886年11月25日が初めての授与日となっています。この勲章は、戦争中の具体的な功績を認めるために設けられましたが、最近まで授与対象は高い地位の将校に限られていました。特に第一次世界大戦中、前線で戦っていない後方部隊に授与が集中したことから、前線の将校たちの不満が高まりました。

1916年からは、複数回受章を示すための飾板が勲章に導入され、さらに1942年には商船隊の士官へも授与対象が広がりました。1943年には、受章者を公式報告書に記載するという条件が撤廃され、より多くの軍人が対象となることで、栄誉がより広く認識されるようになりました。

現代における運用

1993年の栄典制度改正により、殊功勲章は階級による制約がなくなり、「作戦における優れた指揮とリーダーシップ」を発揮した全ての軍人が受章対象となりました。これにより、理論上は下士官でも受章が可能になりましたが、実際にはイラクやアフガニスタンで活動した下士官が受章した例はありません。殊功勲章は一時期、イギリス連邦の国々でも授与されていましたが、1990年代までには各国が独自の栄典制度を設けたため、イギリス本国の勲章の需要は減少しました。

特権と意匠

殊功勲章の受章者は「殊功勲章コンパニオン」として勲爵士の地位を得ると同時に、名前の後に

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