残塁

残塁（ざんるい、Left on Base、LOB）

残塁は、野球やソフトボールの試合において、各イニングの終了時に止まり、アウトにならなかった走者の数を記録する指標です。この指標は選手やチームの攻撃力や効率を測るための重要な要素であり、試合の中でどれだけ出塁があったかを示すものでもあります。

残塁の基本概念

残塁が記録されるのは、イニングが終了した際にアウトになっていない走者についてです。各打者が打席に立つたびに、彼がアウトにならなければその走者の数は残塁数に加算されます。例えば、フォースプレイのケースでは、塁にいる走者が第3アウトになった際、打者もひとつの残塁としてカウントされることがあります。

このように残塁数は、イニング終了時に残っている走者の総数を表し、一般にチームの攻撃機会を示す指標の一つとされます。特に、マスメディアにおいては、試合全体のチーム残塁数を指して使われることが多く、そのため誤解が生じることもあります。一般的には、次のイニングの攻撃は無走者から始まりますが、ソフトボールにおけるタイブレークルールではこの限りではありません。

残塁と得点の関係

残塁はしばしばネガティブな要素として捉えられますが、実際には出塁数と密接に関連しています。得点に結びつく出塁が多ければ、それだけ得点の機会も増えるからです。ただし、残塁が多すぎる場合は得点の効率が悪いと見なされることもあります。例えば、本塁打以外の得点機会があったにもかかわらず、得点が得られない場合、残塁が多いことは批判の対象となります。

数々の成功を収めたチームは、出塁と残塁数の間に比例関係を示していることが多く、1998年から1999年の横浜ベイスターズや2005年の阪神タイガースなどは、たくさんのヒットを記録する一方で多くの残塁を残しています。

残塁に関する記録

日本プロ野球では、2014年8月16日に埼玉西武ライオンズが北海道日本ハムファイターズとの試合で21残塁を記録しました。また、2015年6月23日には広島東洋カープが阪神タイガースと延長戦で同じく21残塁を残しています。これらはいずれも延長戦での記録ですが、通常の9イニング内においても、横浜DeNAベイスターズと北海道日本ハムファイターズがそれぞれ19残塁という最多記録を持っています。

残塁に対する評価

残塁が多いと、得点が少ない状態を示すことから、スポーツニュースなどでは「拙攻」といった表現が用いられることがあります。これには走塁ミスや併殺打などが含まれることがあり、必ずしも残塁と拙攻の関係は明確ではありません。また、正岡子規は残塁を「立尽（スタンヂング）」と訳したことがあり、野球用語の翻訳に寄与した人物として知られています。

残塁は、チームの攻撃力評価に重要な役割を果たす記録の一つであり、野球を楽しむためにも理解しておくべき要素です。

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