殤公 (宋)

殤公（しょうこう）

殤公（? - 紀元前710年）は、春秋時代の宋の君主（在位：紀元前720年 - 紀元前710年）。姓は子、名は與夷で、宣公の子として生まれた。

生涯

紀元前720年、叔父である穆公の後を継いで宋の君主となった。在位中は周辺諸国との間で頻繁に軍事衝突を繰り返した。

紀元前719年：魯の隠公と清で会合。
同年：衛の州吁の主導により、宋・衛・陳・蔡の連合軍が鄭を攻撃。
紀元前718年：宋は邾と鄭から攻撃を受ける。宋軍は反撃として鄭を攻撃し、長葛を包囲。
紀元前717年：鄭の長葛を奪取。
紀元前716年：鄭と講和し、宿で会盟。
紀元前715年：犬丘で衛の宣公と会談。斉の主唱により宋・衛・鄭の三国間で講和が成立。
紀元前713年：周王への朝覲を怠ったことを理由に、魯・斉・鄭の連合軍が宋を攻撃。宋軍は菅で敗北し、郜と防の地を奪われる。

このような度重なる戦争により、国内の民衆は疲弊し、不満が高まっていた。

暗殺

大司馬の孔父嘉の妻は美貌で知られていた。紀元前711年、太宰の華父督は彼女に横恋慕し、「殤公が即位して10年のうちに11戦もあり、民衆は苦しみに耐えかねている。みな孔父のせいである」と民衆に吹き込んだ。

紀元前710年、華父督はついに孔父嘉を殺害し、その妻を奪った。殤公はこれに激怒したが、華父督は自身も殺されることを恐れ、先手を打って殤公を殺害した。その後、華父督は鄭から公子馮を迎え、新たな君主として擁立した。

殤公の治世は、度重なる戦争と国内の混乱によって特徴づけられ、最終的には家臣の反乱によって悲劇的な結末を迎えた。

参考文献

『史記』宋微子世家第八
* 『春秋左氏伝』隠公3年、4年、5年、6年、7年、8年、10年、桓公元年、2年

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