段実

段 実（だん じつ）について

段実（だん じつ、生年不詳 - 1282年）は、モンゴル帝国（大元ウルス）において大理地方の2代目大理総管として知られています。この時代の彼は、歴史書『元史』では「信苴日」として言及され、「信苴」という称号は王族を指すものです。段実はまた、段興智の信任を受けながら、重要な役割を果たしていました。

大理国の歴史的背景

13世紀中頃の大理国は、国王の権威が低下し、実権は高氏に握られていました。1253年、モンゴル帝国のクビライによる侵攻が始まり、段興智は国王の名の下でモンゴル軍に降伏し、従属的な地位を受け入れました。その後、段興智は諸部族を平定するための軍務を段実に委任しました。段実は、その後の安南への遠征でも軍事指揮を執り、功績を重ねました。

舎利畏の反乱と段実の軍事的対応

1264年、舎利畏をリーダーとした反乱が起こり、段実は早急に精鋭部隊を展開してこれに対処しました。反乱軍が侵攻してきた際、段実は都元帥と連携し、威楚を含む大理地方の安定を取り戻しました。この時の反乱自体は、段氏の統治が持つ脆弱性を浮き彫りにしました。段実は反乱の鎮圧に成功し、その功績によって地位が昇進し、金銀や衣服を賜りました。

大理総管就任とその後の業績

1274年には段実が「大理総管」に任じられましたが、この役職はかつての大理国全土を指すものではなく、限られた地域を統治するものでした。段実はその後も舎利畏による再度の反乱を迅速に鎮圧し、再び功績を上げることとなります。1276年にはビルマからの侵攻にも対応し、これを撃退したことでさらなる地位と権威を高めました。

最後の任務と死去

1282年、段実はビルマに出兵する命を受けますが、長旅の途中で病に倒れ、天に召されました。その後の記録では、段実の死後に弟の段忠がその地位を引き継いだことが示されています。一方で、彼の息子段慶も爵位を受け継いだとされ、段氏の統治は続いていきます。彼らは昔の段興智と段実のように、民政と軍事を分担しながら地域の安定に寄与していったと考えられています。

まとめ

段実は、その生涯を通じてモンゴル帝国の統治下で地域の安定を図り、数多くの軍事的成功を遂げました。彼の統治は、その後の大理地方の政治的枠組みにも影響を与え、重要な歴史の一部を形成しました。

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