殷栗線

殷栗線（ウンリュルせん）

殷栗線は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の黄海北道銀波郡にある銀波駅から、黄海南道殷栗郡にある鉄鉱駅までを結ぶ鉄道路線です。

概要

殷栗線は、日本統治時代に建設された長淵線を原型としています。その歴史は古く、1920年12月21日に西鮮殖産鉄道株式会社によって沙里院～載寧間が開業されたことに始まります。当初は狭軌線でしたが、その後延伸を重ねました。

1923年には、西鮮殖産鉄道が他の私設鉄道会社と共に合併され、沙里院～信川間は朝鮮鉄道所属線となりました。1929年には水橋駅まで、1937年には長淵駅まで延伸され、この時に開通した区間が現在の長淵線にあたります。

1944年4月1日には、黄海線の国有化に伴い、沙里院～長淵間は長淵線として分離されました。朝鮮戦争終戦後、既存の狭軌線は標準軌に改軌され、沙里院～載寧間は廃止されました。その代替として銀波～載寧間が新設され、旧黄海本線と連結されました。その後、水橋駅から殷栗郡方面への新線が建設され、既存の水橋～長淵間はこの路線から分離されました。

駅一覧

沙里院青年駅
銀波駅
載寧駅
新院駅
遂安駅
鉄鉱駅

※沙里院青年駅～銀波駅間は黄海青年線ですが、全列車が沙里院青年駅まで乗り入れます。

廃止区間

沙里院青年駅（沙里院青年起点0.0km） - 西沙里院駅(서사리원역)（沙里院青年起点1.5km） - 嵋谷駅(미곡역)（沙里院青年起点3.6km） - 西鐘駅(서종역)（沙里院青年起点8.2km） - 三江駅(삼강역)（沙里院青年起点11.9km、沙海線に接続） - 金山駅（沙里院青年起点16.0km）

駅名は廃止当時のものです。

西沙里院駅は黄海北道沙里院市に位置していました。
嵋谷駅は黄海北道鳳山郡に位置していました。
西鐘駅・三江駅は黄海北道銀波郡に位置していました。

廃駅

倉村駅(창촌역) - 白石駅と信川温泉駅との間に存在した。廃止当時は黄海南道信川郡に位置していた。（沙里院青年起点29.0km）
文化駅(문화역) - 黄海龍門駅と三泉駅との間に存在した。廃止当時は黄海南道三泉郡に位置していた。（沙里院青年起点46.2km）
野村駅(야촌역) - 月峰駅と水橋駅との間に存在した。廃止当時は黄海南道三泉郡に位置していた。（沙里院青年起点58.4km）

参考文献

国分隼人（2007年）. 『将軍様の鉄道 北朝鮮鉄道事情』, 新潮社. ISBN 9784103037316

関連項目

朝鮮民主主義人民共和国の鉄道
朝鮮総督府鉄道（鮮鉄）
* 黄海線

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