母をたずねて

トムとジェリー：母をたずねて

1950年1月7日、劇場公開されたトムとジェリーの作品『母をたずねて』（原題：Little Quacker）は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督による、ハラハラドキドキの短編アニメーションです。水辺の巣で卵を温めていたアヒルの母親。その隙に、いたずら好きのトムが卵を盗んでしまいます。

トムは卵を台所で割ってみると、中からアヒルのひなが孵化！予定を変更して、子アヒルのローストを作ろうと企みます。子アヒルにパンを食べさせ、肉切り包丁を構えるトム。しかし、子アヒルは間一髪で逃げ出し、ジェリーの巣穴に逃げ込みます。

こうして、子アヒルを巡るトムとジェリー、そしてアヒル親子のドタバタ劇が始まります。ジェリーは子アヒルを守り、トムから逃げ惑う子アヒルを巧みに操り、トムを翻弄します。一方、行方不明になった卵を探すアヒルの母親は、ジェリーと子アヒルを見つけ、感動の再会を果たします。

しかし、その直後、子アヒルとジェリーを追いかけていたトムが芝刈り機でアヒルの母親の胸の羽を刈り取ってしまい、丸裸にしてしまうという大失態を犯してしまいます。我が子を危険に晒した上に、侮辱されたアヒルの母親は激怒！力自慢の夫、ヘンリーを呼び出し、トムへの復讐を誓います。

怒り狂ったヘンリーは、トムを芝刈り機で痛めつけ、トムは散々な目に遭います。一方、アヒル親子と仲良くなったジェリーは、皆で楽しく水遊びをするという、ほほえましいシーンで物語は幕を閉じます。

登場キャラクター

トム: アヒルの卵を盗み、子アヒルを料理しようと企むが、ジェリーの策略によって次々と失敗し、最後はアヒル夫婦の怒りを買い、毛を刈られてしまいます。
ジェリー: トムから子アヒルを守り、機転を利かせた行動でトムを出し抜きます。最後はアヒル親子と友情を深めます。
子アヒル: トムに食べられそうになるも、ジェリーに助けられ、母親と再会を果たします。
アヒルの母親: トムに卵を盗まれ、我が子と再会を果たした喜びも束の間、トムに羽を刈られ、怒り心頭で夫にトムを懲らしめさせます。
* ヘンリー: アヒルの父親で、大柄な体格でトムを痛めつけます。

作品のテーマ

この作品は、水鳥の「刷り込み」という習性をモチーフにしていると言われています。生まれたばかりの水鳥は、最初に見た動くものを母親と認識する習性があり、この作品では、子アヒルがトムを母親と間違えるか、という点が興味深いところです。しかし、子アヒルはトムを母親と認識することなく、本当の母親と再会を果たします。

日本での放映

日本では、TBS系をはじめとした複数の系列局で、1964年から1990年頃まで時折放映されました。多くの子供たちを魅了した、名作の一つと言えるでしょう。

『母をたずねて』は、トムとジェリーらしいコミカルな展開と、アヒル親子とジェリーの友情、そして家族愛が描かれた、心温まる作品です。トムの悪巧みとジェリーの機転、アヒル親子の絆、そしてヘンリーの迫力など、見どころ満載の作品を、ぜひお楽しみください。

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