比亜迪

比亜迪（BYD）について

比亜迪股份有限公司（BYD Company Limited）は、中華人民共和国の広東省深圳市に本社を置く、グローバルなテクノロジー企業です。BYDという略称は、「Build Your Dreams（夢を築こう）」という企業理念を表しています。

事業内容

BYDは、IT部品、自動車、新エネルギーという3つの主要な事業分野で多角的な展開をしています。

自動車事業

BYDオート（比亜迪汽車）は、バッテリー式電気自動車（EV）とプラグインハイブリッド車（PHV）の製造・販売を手掛けています。特にPHVの分野では世界最大のメーカーであり、グローバル市場で存在感を高めています。自社ブランドの乗用車は2005年から生産を開始し、2008年には世界初の量産型プラグインハイブリッドカーを発表しました。現在では、乗用車だけでなく、電気バスやトラックなどの商用車も製造しており、幅広いラインナップを展開しています。

バッテリー事業

BYDは、車載用および携帯電話用リチウムイオン電池の製造で世界第2位のメーカーです。自社開発のブレードバッテリーを含むリン酸鉄リチウムイオン電池（LFP）を製造しており、高い技術力を誇っています。

エレクトロニクス事業

BYDエレクトロニック（比亜迪電子）は、スマートフォンなどの電子機器の受託製造（EMS）を手掛けています。高度な製造技術と品質管理体制により、世界の主要ブランドから信頼を得ています。

その他の事業

太陽光発電システムや蓄電システムの提供、モノレールの建設事業など、新エネルギー分野や都市交通インフラ分野にも積極的に進出しています。

歴史

1995年、王伝福によって携帯電話用バッテリーの需要を見越して創業されました。2002年に香港証券取引所に上場し、2003年には自動車事業に参入しました。2008年には量産型プラグインハイブリッドカーを発売し、2009年には中国国内の自動車販売台数でトップに立つなど、急速な成長を遂げました。

2008年には、アメリカの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が出資し、世界的な注目を集めました。その後も、日本の金型メーカーを買収したり、トヨタ自動車や日野自動車と提携するなど、グローバルな展開を加速させています。また、近年ではモノレール事業にも参入し、都市交通のソリューションを提供しています。

2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスク製造ラインを構築し、社会貢献にも取り組みました。

特徴

BYDは、自社でバッテリー、モーター、制御システムなどの主要部品を内製化する能力を持っており、高いコスト競争力と技術力を誇っています。また、新エネルギー車市場での豊富な経験と実績を持ち、グローバルな競争力を高めています。創業者である王伝福は、2009年に中国で最も裕福な人物として評価されました。

主要株主

世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEO、ウォーレン・バフェットは、MidAmerican Energy社を通じてBYDに出資しており、支援者として知られています。

まとめ

BYDは、中国を代表するグローバル企業として、自動車、バッテリー、電子機器、新エネルギーなど、幅広い分野で革新的な技術と製品を提供しています。特に新エネルギー車市場では、リーディングカンパニーとしての地位を確立しており、今後も持続可能な社会の実現に向けて、その動向が注目されています。

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