毛利亘宏

毛利亘宏 - 劇作家・演出家・脚本家

毛利亘宏（もうり のぶひろ）は、1975年6月24日生まれの日本の劇作家、演出家、および脚本家です。愛知県の出身で、現在は少年社中の主宰として数多くの作品を手がけています。毛利はもともと小説家になることを志望していましたが、高校時代に演劇部での活動を通じて演劇の道に進む決意を固めました。

彼は早稲田大学の演劇研究会に所属していた多くの仲間たちとともに、劇団・少年社中を設立しました。この劇団は彼の表現の場となり、彼自身の作風を確立する手助けをしました。毛利の文学的なバックグラウンドは、その後の脚本作品においても重要な影響を与えています。

経歴と主要な業績

毛利は、俳優の唐橋充からの紹介で脚本家の小林靖子と出会い、そこから特撮作品への脚本参加が始まりました。特に、彼は『仮面ライダーオーズ/OOO』から東映の特撮ヒーロー作品の脚本を手がけ、その後『宇宙戦隊キュウレンジャー』ではメインライターとして初の重要な役割を果たしました。さらに、2020年には『アルゴナビス from BanG Dream!』でアニメのシリーズ構成を担当するなど、幅広いジャンルでの活躍を見せています。

毛利の作品が注目される理由の一つは、原作ファンの期待に応えつつ、独自の視点で物語を再構築する能力です。彼は漫画やゲームを原作とする作品において、ファンを失望させないことを常に意識し、小さなディテールにも配慮を欠きません。これは、彼自身の幼少期の経験から生まれた宇宙への興味とも結びついており、後に舞台化した毛利衛の児童文学『モマの火星探検記』に見ることができます。

作風と創作へのアプローチ

毛利は、舞台作品、特撮、アニメと多岐にわたるジャンルでの脚本を手掛けており、各ジャンルの特性に合わせた書き方を意識しています。「舞台と特撮ではト書きをあまり書かないが、アニメではキャラクターの心情を細かく記述する必要がある」と語っており、彼の作品には常にキャラクターの内面が反映されています。また、良いシーンが稽古の中で生まれると、彼はその感動に思わず涙することもあるそうです。

特に特撮作品においては、彼が幼少期に夢中になった『五星戦隊ダイレンジャー』がきっかけで、その後も特撮番組を毎作チェックするほどの熱心なファンになりました。オリジナルビデオやウェブドラマなども手掛ける中で、他者が創り出した世界観をつなぎ合わせて、より高いクオリティを実現することをサブライターとしての使命と感じていると明かしています。

主な作品と脚本家としての背景

毛利が手掛けた主な作品には、舞台『薄桜鬼』シリーズや『フルーツバスケット』、ミュージカル『陰陽師』などがあります。彼の脚本は、感情的な深みと視覚的な演出が融合したもので、多くのファンを魅了しています。特に『アルゴナビス』では、若手劇団員としての経験を生かし、男同士の友情をウリにしたドラマが展開されました。

毛利亘宏は、様々なジャンルにおいて類い稀な才能を持つ作家であり、彼の影響力は今後ますます強まると期待されています。彼の作品は、観客に深い感動を与え、演劇の新たな可能性を示し続けることでしょう。

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