毛利就詮

毛利就詮：長州藩を支えた一門家老の生涯

毛利就詮（もうり なりつね）は、寛永8年（1631年）に生まれ、正徳4年（1714年）に没した、江戸時代前期の武士です。長州藩の一門家老である大野毛利家の第2代当主として、藩政に貢献しました。

生い立ちと家督相続

就詮は、大野毛利家初代当主・毛利就頼の次男として生まれました。兄が早世したため、嫡子となり、延宝4年（1676年）に父の遺領5416石を相続しました。その後、2度の開作（干拓）を行い、知行を6076石にまで増やしました。これは、領地経営に積極的に取り組んだ結果と言えるでしょう。

朝鮮通信使の饗応役

天和2年（1682年）には、朝鮮通信使が来訪した際、上関において饗応役を務めました。これは、藩の重要な外交儀礼であり、就詮が藩内で重要な役割を担っていたことを示しています。

後継者問題

就詮の生涯において、後継者問題は大きな課題でした。正室との間に生まれた長男・熊之助は夭折し、第3代藩主・毛利綱広の三男である右京を養子に迎えましたが、彼もまた早世してしまいます。その後、次男の就豊を嫡子としましたが、病弱のため廃嫡。福原広俊の次男・広為を養子に迎えますが、広為は実家の兄の早世により福原家を相続することになりました。最終的には、藩命により綱広の五男・毛利元重の長男である元直が家督を相続することとなりました。

このように、就詮は度重なる不幸や藩の意向に翻弄されながら、大野毛利家を維持しようと尽力しました。彼の生涯は、藩政における一門家老の役割と、家を守り続けることの難しさを示していると言えるでしょう。

参考文献

「吉見・浦・両村上略系譜」（東京大学史料編纂所）
「吉見系図」（東京大学史料編纂所）

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