毛利房顕

毛利房顕（もうり ふさあき）

毛利房顕は、寛政6年（1794年）に生まれ、天保13年（1842年）に没した長州藩の一門家老、右田毛利家の10代当主です。

生涯

若年期と家督相続

右田毛利就任の三男として生まれた房顕は、当初、藩士である児玉親忠の養子となっていました。しかし、文化2年（1805年）に兄である房良が急逝したため、その末期養子として実家に戻り、右田毛利家の家督を継承することとなりました。当時の藩主であった毛利斉房より偏諱を受け、房顕と名乗りました。

藩政への参与

家督相続後は、当職（国家老・執政）として、藩主である毛利斉熙、斉元の二代に仕え、藩政に尽力しました。文政2年（1819年）には、宇佐八幡宮の拝殿を再建するなど、文化事業にも貢献しています。しかし、文政10年（1827年）に当職を辞職しました。

晩年と家督問題

天保5年（1834年）には、家臣が房顕と嫡男である元寿の二派に分かれて対立するという事態が発生し、その家政の乱れを理由に、加判役（家老）を免じられました。翌天保6年（1835年）には、不仲であった嫡男の元寿を病弱を理由に廃嫡し、吉敷毛利房謙の次男である毛利元亮（元敬とも）を養子として迎え、家督を譲って隠居しました。

天保13年（1842年）11月5日に49歳で死去。

死後

元亮（元敬）の跡は、房顕の実子で能島村上氏に養子入りしていた村上惟庸（亀之助、兼助）の子、毛利親信が継承することとなりました。また、廃嫡された実子の元寿は、明治4年（1871年）に分家し、明治15年（1882年）に68歳で没しました。

毛利房顕は、藩政に貢献する一方で、晩年は家督問題に苦しんだ人物でした。

参考文献

* 『萩藩諸家系譜』琵琶書房、1983年8月

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