毛利親信

毛利親信（もうり ちかのぶ）

毛利親信は、嘉永2年（1849年）に生まれ、明治18年（1885年）に37歳で亡くなった、長州藩一門家老である右田毛利家の12代当主です。

生涯

親信は、嘉永2年（1849年）、長州藩士である村上惟庸（むらかみ これつね）の長男として生まれました。父・惟庸は、右田毛利家10代当主・毛利房顕の次男で、能島村上家の養子となっていました。親信は、祖父・房顕の跡を継いでいた毛利元亮（元統）の養子となります。

藩主・毛利敬親より偏諱を受け、親信と名乗るようになった親信は、慶応2年（1866年）の第二次長州征討では、総督として石州口の防衛にあたりました。慶応3年（1867年）には、藩主・毛利敬親の命で藩兵を率いて入京し、慶応4年（1868年）の鳥羽・伏見の戦いにも参加し、勝利に貢献。その後も北越戦争、会津戦争に参加し、数々の戦功を立てました。明治元年（1868年）には、朝廷より禁裏守護の功績を賞されています。

明治時代に入ると、大阪で仏式兵法を学び、明治3年（1870年）には藩費でフランスに留学し、私塾で法律学を学びました。明治6年（1873年）には、岩倉使節団としてフランス入りした木戸孝允とパリの歯科医に通ったことが『木戸孝允日記』に記されています。明治7年（1874年）に帰国。明治11年（1878年）に第百十国立銀行が開設されると頭取に就任しました。

しかし、その後、肺結核に倒れ、下関で療養に努めましたが、明治18年（1885年）5月23日に37歳という若さでこの世を去りました。

親信の死後、家督は養父・元亮の子である祥久が相続。親信の戊辰戦争における功績により、明治30年（1897年）に男爵が追贈されました。実子の藤枝は実家・村上家の養子となっています。

人物

親信は、武士としての才能に秀でていただけでなく、向学心も旺盛で、フランス留学で法律を学ぶなど、国際的な視野も持っていました。しかし、若くして病に倒れ、その才能を十分に発揮することなく亡くなったことは、惜しまれます。

参考文献

* 石川卓美著「防長歴史用語辞典」

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