毛里和子

毛里 和子について

毛里 和子（もうり かずこ、1940年1月19日生まれ）は、日本の政治学者であり、中国の政治や外交、さらには東アジアの国際関係に関する研究を専門としています。彼女は早稲田大学の名誉教授であり、栄誉フェローとしても知られ、文化功労者の称号を受けた人物です。さらに、彼女は紫綬褒章を受章しており、学術や教育への貢献が評価されています。

学歴

毛里は東京で生まれ、お茶の水女子大学附属高等学校を卒業後、お茶の水女子大学文教育学部に進学しました。そこで学問を修めた後、東京都立大学大学院人文科学研究科の修士課程を修了しました。彼女の卒業論文では「浙江財閥と蔣介石政権」、修士論文では「北伐期の武漢国民政府」といったテーマを扱いました。

シンクタンクでの研究活動

学問の世界に入った後、1965年から1987年まで日本国際問題研究所で研究員として勤務し、現代中国に関する資料集の編集を手掛けました。1978年には初めて中国を訪れる経験も積み、1981年から1983年にかけて上海の日本総領事館にて初代専門調査員として活動しました。ここでは「都市部の失業問題と中国政治」というテーマに取り組み、現地の研究機関との交流を図りました。

大学教授としてのキャリア

このような経歴を経て、1987年から1994年までは静岡県立大学国際関係学部の教授を務め、その後1994年から1999年まで横浜市立大学国際文化学部の教授に就任しました。そして1999年からは早稲田大学政治経済学部教授として活躍し、2010年には早稲田大学から名誉教授の称号を受けました。もともと2004年には博士（政治学）の学位も取得しており、その後は特に現代中国の研究プロジェクトを指導する立場に立ちました。

受賞歴と栄典

彼女の業績は高く評価されており、1995年には『現代中国政治』で毎日新聞社アジア太平洋賞の大賞を受賞し、1999年には『周縁からの中国―民族問題と国家』で大平正芳記念賞を受賞しました。また、2006年の『新版・現代中国政治』で特別功労賞を、2010年には福岡アジア文化賞学術研究賞を受賞しています。さらに、2003年には紫綬褒章を受け、2011年には文化功労者に選出されています。

著作と研究の活動

毛里の著作には『中国の議会制度と地方自治』（1988年）、『現代中国政治』（1993年）、『日中関係――戦後から新時代へ』（2006年）、および近年の『現代中国外交』（2018年）や『現代中国 内政と外交』（2021年）など、多岐にわたるテーマが含まれています。共著や編著、訳書も手がけており、幅広い知識と研究の成果を広めています。彼女の研究は、国際関係を理解する上で重要な指標となっています。

日本国内外で活躍し続ける毛里和子の学識と経験は、次世代の研究者たちにとっても貴重な資産であり、彼女の業績は今後も評価され続けるでしょう。

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