民主主義の出発

民主主義の出発（Demokratischer Aufbruch, DA）

「民主主義の出発」（DA）は、1989年10月に東ドイツで発足した政党です。東欧革命の流れの中で、プロテスタント教会周辺の反体制運動・民主化運動から市民団体として誕生しました。

党史

1989年12月17日にライプツィヒで行われた会合で正式に政党となりました。創設メンバーにはヴォルフガング・シュヌルや牧師のライナー・エッペルマンらがいました。当初は民主社会主義的でリベラルな東ドイツの改革を目指していましたが、政党化の際に市場経済（資本主義）を志向する右派・保守的かつ反共主義的な綱領を採択したため、一部のメンバーが党を離れました。

その後、DAは東ドイツのキリスト教民主同盟（CDU）や西ドイツのCDUに接近し、東西ドイツの早期再統一を求めるようになりました。

1990年3月18日に行われた東ドイツ最初で最後の自由選挙となる人民議会選挙では、CDU、ドイツ社会同盟（DSU）と政党連合「ドイツ連合」（Allianz für Deutschland）を結成しました。ドイツ連合は約48％の得票で400議席中192議席を獲得し圧勝しましたが、DAは投票日の数日前に党首のシュヌルが国家保安省（シュタージ）の協力者であったことが判明し辞任するなど混乱し、4議席の獲得にとどまりました。選挙後、当選したエッペルマンが党首となり、東ドイツ最後の国防相を務めました。アンゲラ・メルケルは、この年の2月からDAのスポークスウーマンを務めています。

ドイツ再統一を前に、DAは8月4日に東ドイツのCDUに合流し、さらに10月3日のドイツ再統一に伴い、西ドイツ側のCDUと合流しました。メルケルはCDUの連邦議会議員となり、ヘルムート・コールの愛弟子として知られるようになり、首相への道を歩み始めました。

1990年人民議会選挙結果

出典：山田徹著『東ドイツ・体制崩壊の政治過程』（日本評論社）380頁、表12-1「選挙結果：各党の得票・議席数」より引用。

外部リンク

Programm aus der Anfangsphase
Einige Dokumente zum Demokratischen Aufbruch
* Demokratischer Aufbruch (DA) （Chronik der Wende)

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