自由選挙

自由選挙とは

自由選挙とは、複数の候補者が選挙戦を争い、立候補に当たって当局が事前の資格審査をしない選挙を指します。日本国憲法第15条第4項では、「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない」と明記されており、選挙の自由が保障されています。

自由選挙が実施されない例

自由選挙は、人権意識が確立していなければ困難であり、様々な理由で実施されない場合があります。

社会主義国家: ソ連型社会主義国家では、党が唯一の候補者を選定し、有権者は信任投票をするだけでした。不信任投票をした有権者を特定することが可能な投票方式が広く行われていました。体制内改革を行うにしても、党が承認した候補者だけの争いとなる場合が普通でした。
一党独裁国家・独裁政治体制国家: 中華人民共和国やベトナムのような一党独裁国家や、朝鮮民主主義人民共和国のような最高指導者による独裁政治体制を取る国家では、建国以来自由選挙は行われていません。
中東諸国: 中東諸国でも自由選挙が実施されない場合が多く、イラン大統領選挙では、事前に立候補資格審査があり、イスラム法学者による統治そのものに反対の勢力は、候補者を立てられません。
過去の事例: 日本でも第2回衆議院議員総選挙（1892年）や戦時中の第21回衆議院議員総選挙（1942年）のような選挙干渉が行われた時代がありました。またドイツ国でも同様の時期がありました。

自由選挙が実施されて日が浅い国では、敗れた野党候補が不正選挙を訴え、実際に不正選挙が行われる場合もあるため、選挙実施に当たり国際監視団が派遣されることもあります。

自由選挙を行う上での注意点

自由選挙を行っている国々でも単記非移譲式投票を選挙制度に採用するところは、デュヴェルジェの法則により被選挙権を行使できるのは(改選数+1)人に事実上制限されます。これから自由選挙を行う当局はこれを参考にして、完全連記制の大選挙区・全国区制か単記非移譲式投票の小選挙区制を採用してから、自らを体制派二大政党に分裂させれば、自由選挙の下で体制を維持することができます。

関連項目

* 国王自由選挙

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