民主党 (香港)

香港民主党：香港民主派の中核

香港民主党は、香港における民主派の中核を担う政党です。党員数は約700名で、立法会では6議席を保有する第3党、区議会では香港全域で46議席を占めています。現在の党主席は胡志偉氏が務めています（2016年12月～）。

主な主張と特徴

民主党は、普通選挙の全面的な実施を強く主張しており、一国二制度の厳守と香港基本法に基づいた法治を重視しています。また、環境保護やオンブズマン活動にも積極的に取り組んでいます。構成員には、天安門事件の再評価を求める声も多く、香港の民主派を代表する政党としての立場を明確にしています。

返還前の立法局普通直接選挙では圧倒的な強さを誇りましたが、返還後は、親中派の民主建港協進聯盟や財界保守派の自由党と対立してきました。そのため、中国政府からは警戒される側面もあります。一方で、返還前後には、当時の党主席であった李柱銘氏が欧米メディアから注目を集めたこともありました。

しかし近年では、内部分裂や左派政党の台頭などにより、以前に比べて求心力がやや低下しているとの指摘があります。特に、2006年の公民党結成や、2007年行政長官選挙での梁家傑氏の擁立は、民主派の長期的な凋落を招く可能性も指摘されています。ただし、梁家傑氏の擁立を巡る選挙委員会選挙では、民主党も協力しています。

曽蔭権行政長官は、民主派との関係を再構築しようと試み、2005年10月には、民主党の元副主席である張炳良氏を行政会議の非公式議員に任命しました。

歴史

民主党は、1994年10月2日に、香港民主同盟と匯點が合併して成立しました。初代党主席には、香港民主同盟主席であった李柱銘氏が、初代副主席には、匯點主席であった張炳良氏が就任しました。その後、2008年11月23日には、同じ民主派の政党であった前線を併合し、現在に至っています。

香港民主同盟

香港民主同盟（略称は港同盟、英文名称はUnited Democrats of Hong Kong）は、1990年4月6日に結成されました。李柱銘氏の他に、司徒華、劉千石（除籍処分）、張文光、何俊仁、文世昌（海外へ移住）、李永達、陳偉業（2003年脱退、2006年社会民主連線党へ移籍）、呉明欽、黄匡忠、劉江華（民主建港聯盟へ移籍）などが主なメンバーでした。普通選挙の実施を求める一方で、環境保護やオンブズ活動にも重点を置いていました。

匯點

匯點 (Meeting Point) は、1983年1月9日に、香港で最も早く結成された政治団体です。1992年9月13日に政党化しました（ただし、香港には政党法がないため、会社法に基づいて登録されています）。1995年の立法局選挙では19議席を獲得し、1991年の民主改革の恩恵を受けたとされています。しかし、中国はイギリスによる民主化を一方的であると非難し、返還前の立法局が返還後の立法会にそのまま移行するという英中合意を破棄しました。1996年11月には臨時立法会が選出され、民主党はこれを非難し、選挙をボイコットしたため、返還と同時に全ての議席を失いました。

前線

前線 (The Frontier) は、1996年8月26日に結成された香港の政党です。2008年11月23日に民主党と合併しましたが、合併に反対した一部の元党員が、2010年に同名の団体を結成しています。

歴代党首

李柱銘 (1994-2002)
楊森 (2002-2004)
李永達 (2004-2006)
何俊仁 (2006-2012)
劉慧卿 (2012-2016)
胡志偉 (2016-)

まとめ

香港民主党は、香港の民主化運動において重要な役割を果たしてきた政党です。過去には圧倒的な支持を集めましたが、近年は求心力の低下という課題に直面しています。しかし、現在も香港の民主派の中核として、その活動は続いています。

参考資料

* 香港民主党ホームページ

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