民主憲法争取国民運動本部

民主憲法争取国民運動本部の誕生と役割

民主憲法争取国民運動本部（通称：国民運動本部）は、1987年5月に韓国で設立された反独裁組織です。この運動は、在野勢力や民族民主運動陣営が結集して形成されたものであり、同年6月の大規模な民主化運動（いわゆる6月民主抗争）を牽引しました。国民運動本部の設立は、韓国社会の民主化への重要な転換点となりました。

背景

1986年5月の「5・3仁川事態」を契機に、新韓民主党と民主化を目指す運動間の共闘関係が崩壊しました。この動きは、全斗煥政権による厳しい弾圧が原因であり、民主かつ公正な国作りを目指す国民連絡機構（民国連）は活動の維持が難しくなりました。微妙な状況の中で、各種の野党や在野団体が共に団結し、民国連や宗教団体を含む新たな国民戦線的組織を結成する必要性が高まった結果、1987年5月27日に国民運動本部が誕生したのです。

発起宣言

国民運動本部は発起宣言の中で、民主化が拒否できない歴史的な潮流であると力強く表明しました。これまでバラバラに行なわれていた護憲反対の動きが一つにまとまり、国民の意思を結集し、民主化へ向けた活動を推進することが必要であると訴えました。この宣言は、全国の支持者に感銘を与えました。

国本決議

国民運動本部の決議文では、当時の全斗煥政権の行動が強く批判されました。4.13護憲措置が民主韓国の理念に反し、また現行憲法は市民の権利を制限する内容であるとの指摘から、憲法改正と社会全体の民主化を訴えました。特に国民の主権と人権が侵害されている現状を強調し、権力に屈しない声を挙げることが重要であると訴えました。

活動の拡大

1987年四月、全斗煥大統領が改憲を否定する発言を行い、国民の反発は強まりました。これを受けて、国本は「汎国民糾弾大会」や「催涙弾追放の日」、「6・26平和大行進」など、全国規模のデモ活動を組織し、各地で反独裁の声を広げていきました。この成果は、民主化運動の広がりを反映し、政治に対する国民意識を高める要因となりました。

また、これに危機感を抱いた政権は、6・29声明を発表し、直接選挙制導入やその他の民主化措置を約束せざるを得なくなりました。このようにして、国民運動本部の活動は、韓国社会における民主化への流れを加速させました。

組織名の変更

国民運動本部は、1987年11月5日の全国総会において組織名称を「民主争取国民運動本部」に変更しました。この名称変更は、運動のさらなる発展と民主化に対する人々の意思を明確にするためのものでした。

結論

国民運動本部は、韓国の歴史において重要な役割を果たした民主化運動の象徴的存在であります。国本が結成されたことにより、多くの国民が巻き込まれ、民主主義の実現に向けた力強い呼びかけが生まれました。今日の韓国社会を形作る基礎がここにあったと言えるでしょう。

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